日本におけるインバウンド市場:中国独特のSNS事情と、訪日中国人による消費事情

2017年の訪日外国人数は前年比19.3%増の2,869万人となりました。その中で中国からの訪日客数は前年と比べて15.4%増の735.5万人で実に4分の1以上を占めました。同じく2017年の外国人旅行者消費総額は前年比17.8%増の4兆4162億円で過去最高を記録し、中国人旅行消費総額は1兆6,947億円、38.4%のシェアを占めてトップ。そんな、日本インバウンドで一番大きな市場である中国の、独特すぎるSNS事情と、訪日中国人の消費事情について紹介します。

SNSの情報と口コミサイトは信頼されている

観光庁が発表した2017年「訪日外国人の消費動向」の「旅行情報源ランキング」によると、日本に訪れた中国人観光客は、訪日前に役立った情報源の1位は「SNS 」となっています。
また、訪日中、訪日後もWeb(スマートフォン)で情報を探し続ける傾向があります。そのため、中国においてWeb上で様々な情報とSNSの発信をし続けていくことはかなり重要。中国でよく使われているSNS・ウェブサイトはWeibo・Wechatモーメンツ・QQ、口コミサイトはKimiss・大衆点評・ほかには旅行の口コミサイト蚂蜂窝(マフェンオ)など。現在動画が中国人の生活の中に欠かせないものになったため、インフルエンサーの生配信も重要な発信源となりました。中国人訪日前後の動向は以下になる傾向があります:

中国でよく使われるSNSの特徴それぞれを紹介。Wechatはチャット型SNS、利用層が幅広く、海外のユーザーも含めば、約10億人のユーザーがいます。Wechatモーメンツ(LINEで言うと「ライムライン」に相当)は元々自分の投稿の共有範囲を自由に設定でき、友人たちと投稿をシェアし合うこともできるタイプ。企業の公式アカウントを取得すれば、ユーザーに対して情報発信をすることができ、かつ、Wechat内でのプロモーション展開もしやすくなります。Wechat内の広告はタイムライン上に友人の投稿と同じようなスタイルで表示されるため、ユーザー間でより多くのシェアが期待できます。

テンセントグループが運営するその他サービスに、ユーザーが約8億人のQQ、ユーザーが約6億人のQQ ZONEがある。QQはテンセントグループが開発したンスタントメッセンジャーツールで、QQ ZONEは個人ブログみたいな空間で使われています。これら2つのユーザーはともに10代中心の若者層が主なユーザー層なのに対し、大学生以降になるとWechatを使うようになることが多いと考えられています。

Weiboの主な役割は情報発信ツールで、ニュースを見たり、情報収集ツールとして使われたりしています。現在のユーザーは約6億人。Weiboにおけるプロモーション施策は、自社商品のターゲットにマッチするインフルエンサーを起用し、商品を紹介してもらうことがおすすめ。ポイントは・インフルエンサーのフォロワー数だけをみることではなく、インフルエンサーのフォロワーが活発にコメントを残していいたり、いいね!を教えているかどうを細かく見ていった方がいい。場合による、フォロワーは多ければ多いほどではなく、フォロワーの性別・年齢・職業・趣味などを分析し、自社商品のターゲットに合うまた意欲喚起ができるインフルエンサーの方がよりいい効果が得られる。例えば女性向けのコスメ商品をPRしたい場合、200万の男性フォロワーを有するインフルエンサーに対し、50万の20~30代の女性フォロワーを有するインフルエンサーを起用したほうがよりいい効果が出せる傾向があります。最近、中国最大のEC企業アリババが、60歳以上のインフルエンサーを公募したことがあった特定のターゲットを得るための対策と考えられます。

また、中国では口コミサイトが信頼されており利用頻度も高い。SNSで情報収集したあと、気になる商品を口コミサイトで再検索する流れだと考えられます。中国でプロモーションをするには口コミサイトも合わせて利用を考えなければならない時代となりました。

帰国した後も買い物し続ける


2017年観光庁が発表した「訪日外国人の消費動向」

訪日中国人の消費事情について、観光庁の2017年「訪日外国人消費動向調査」によると、全ての国の1人当たりの平均旅行支出(総額)は、153,921円に対し、訪日中国人旅行中の1人当たりの平均旅行支出は230,382円。さらにその中でも、買い物代は51.8%を占め、119,319円となりました。詳しく見てみると、買い物ランキングの1位は化粧品・香水で購入率79.7%を占め、2位は医薬品・健康グッズなどは73.1%、3位は菓子類、4位は飲料・酒・たばこ・ほかの食料品、5位は服・靴・かばん、6位は電気製品という結果。

また、2017年12月にJETRO日本貿易振興機構が発表した「中国の消費者の日本製品等意識調査」によると、中国において、20~49歳の月収5,000中国元以上のミドル・ハイエンド層を調査対象とした結果、越境ECで日本製品を購入したことがあるかの質問に対して67.7%は「経験あり」という結果となった。越境ECを使う理由としては、1位は「中国の店頭で販売されていない製品だから」2位は「日本に旅行をしたときに購入して、気に入った製品だから」が挙がりました。購入した商品の上位は化粧品、食品、医薬品など。今後購入したい商品のトップは電気製品という結果となりました。

2020年東京オリンピックに向けて、日本インバウンド市場はますます右肩上がりに成長してくのは間違いない。その中で最も大きい中国市場の文化と現状をよく知った上でプロモーション戦略を立てていくことが必要です。

※Chu chiawen
台湾出身。日本で留学、中国大陸・台湾で仕事を経て、現在は日本でライター・インバウンド事業・翻訳の仕事を携わっています。このコラムは日本インバウンド市場の中で中華圏におけるお役立ち情報などをお届けします。