台湾のネットとSNS事情

親日国と知られる台湾の人口はおよそ2,300万人、その内2017年には日本を訪れた台湾人はなんと456.4万人、中国、韓国に次いで、訪日外国人全体の3位になり、15.9%を占めました。目的地別でみると台湾出国人数の1位が日本となっており、台湾人の中で平均5人の中に1人は日本へ旅行するという結果です。同じ2017年の日本人の訪台人数は189.8万人(全人口の約1.5%)ですので、この数字と比較すると、台湾人が日本に訪れる割合が高いのが一目瞭然です。台湾と日本の間の歴史は長く、1895年~1945年までの50年間はに日本が台湾を統治したこともあり、政府、民間、両面での交流が現在でも活発となっています。

50年の日本統治期間に、日本式の教育と政策の影響を受け、高齢者の中には現在でも日本語を話せる方もいます。日常生活で日本語をそのまま使う場合もありますし、残されている日本時代の建築、神社などが台湾の街の景色に溶け込み、もはや生活の一部のようになっているため、日本に対して親近感を持つ人が少なくありません。40~50歳代くらいの世代は親の世代から日本の話を聞きながら、日本のドラマ・映画・音楽などの影響を受けつつ、日本との交流を続けています。30代以下の若い世代は、インターネットを通じて、リアルタイムで日本の最新情報をチェックしており、日本のアニメ・デザイン・旅行情報・ライフスタイルなど、画像・文字・映像を通じて交流がますます深くなっています。日本人があまり訪れないスポットなのに、台湾人の観光客がわざわざ足を運ぶというニュースをよく見かけます。日本人が台湾に行くと大正・昭和のレトロな雰囲気を感じ、どこか懐かしい気分になる方がいます。その一方、台湾人が日本に来ると見慣れた景色もあれば、台湾にはない雪景色などの自然風景、グルメ、あるいは日本の流行最先端を体験するなど様々な楽しみ方があるので、リピート率も高いです。

近年日本企業は台湾の訪日人数が度々最高記録を更新していくため、また距離が近い、親日として有名、日本の文化を受け入れる土壌が出来上がっている、などが理由で、アジアの市場への進出を考える時に、足がかりとして台湾を選ぶことが多いようです。ただし、交流が深い日本と台湾の間でも、考え方、価値観とネット事情などに違いがありますので、最も進出しやすいといわれる台湾へ進出する前に台湾事情を知っておけば、アジア市場へのステップアップにも繋がります。ここからは台湾でPRするときに一番重要とされるネット事情について説明します。

 

台湾ではスマートフォンとSNSの使用率が極めて高い

日本でインターネットの使用者は93%に対し、SNSの使用者は56%。その一方、台湾のインターネット使用者は88%で、SNSの使用者は80%にも及ぶ。日本の携帯使用者は91%にも関わらず、スマートフォンの使用者は64%にとどまり、デスクトップは80%。台湾の携帯使用者は日本とほぼ変わらない92%に対し、スマートフォンの使用者は81%、デスクトップは67%になります。以上のデータを見ると台湾でプロモーションをする際に、日本と違ってスマホ版のサイトレイアウトを考えなければなりません。また、携帯を使用するときのスムーズ度も重要となります。

日本のデバイス使用率

台湾のデバイス使用率

 

台湾のSNS利用分析

台湾人がデバイスを使用する平均時間

台湾でよく使われるSNSランキング

日本人がデバイスを使用する平均時間

統計から見ると、台湾人は毎日平均2時間3分程度SNSを使います。また、現在台湾で最も使われるSNSはやはりフェイスブックです。台湾人の中で77%、換算するとやく1,800万人以上の台湾人がフェイスブックを使っています。その内、90%以上の人がスマートフォンを通じて使っています。フェイスブックは若い世代が使うアプリを思われがちですが、台湾市場へ進出して10年経ったので、使用者を分析すると、一番高いのが25~34才、次は35~44才、若い世代の18~24才は第三位になります。

また、2017年度の統計によると、台湾のフェイスブック公式アカウントのいいね!数は毎月0.3%が増加、毎回の投稿に対し、いいね!を押したファンの中の約12.2%にリーチができます。ただし、広告を出稿しない場合は平均オーガニックリーチは8.7%に下がってしまいます。例えば1万人のファンを有する場合、毎月いいね!数が30人増加、投稿のオーガニックリーチは870人、広告を出稿すると平均1,220人にリーチする計算になります。公式アカウントのうち広告出稿をするアカウントは33.6%を占め、広告出稿の平均リーチ数は全リーチ数の16.2%を占めます。ただし、フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグ曰く、今後フェイスブックのタイムラインで友達・グループの投稿を優先して見せるようにすると発言しています。つまり公式アカウントのリーチ数が今後は低下するようにになると考えられています。とはいえ、現在台湾ではフェイスブックの使用者がSNSの中で最も多く、リーチ数も高いため、台湾でプロモーションをし知名度を上げたいときは、フェイスブック運用を始めた上で、フェイスブック広告に出稿することをおすすめしますが、今後の動向を観察する必要はあるでしょう。ちなみに余談ですが、台湾の場合だと映像のエンゲージメント率が一番高く、8.12%を占めています。

台湾のフェイスブックのリーチ状況

台湾でフェイスブックの投稿タイプによるエンゲージメント率

フェイスブックの次、第2位となったのは全人口に対して75%が利用しているユーチューブです。台湾の人々は暇つぶしにユーチューブで面白い動画・ドラマ・音楽の映像を検索することが多いく、フォローしてるユーチューバーの動画もよく見ます。ブランド、メディア、芸能人を除いても、現在台湾では100万人のフォロワーを超えるユーチューバーが10人以上もいます。台湾ユーチューバー収入源は大きく2種類があります。一つは視聴数でユーチューブからの広告収入をもらう方法、もう1つはスポンサーの依頼で作成したタイアップ動画投稿で広告費をもらう方法です。ユーチューブだけではなく、その他のSNSでも言えることですが、台湾の人々は広告タイアップ投稿には敏感に反応することが多く、あまり好みません。インフルエンサーを選択するときは、タイアップ投稿の比率を事前に調べることをお勧めします。

第3位と第4位のLINE、フェイスブックメッセンジャーの利用率は全人口の71%と48%を占めます。この2つは台湾人にとって連絡手段の一つと考えられていて、友達はもちろん、仕事でメール替わりに使われる場合も多くあります。LINEはタイムラインの機能がありますが、使う人も見る人もあまりいません。LINEの公式アカウントは企業イメージとキャンペーンの情報をファンに配信することができますが、広告メッセージが多すぎると、ブロックされる場合もありますので、要注意です。

注目なのは第5位のインスタグラムです。現在利用率は全人口の35%を占め、800万人以上の利用者がいます。最近プロモーションをするときによく使われるプラットフォームです。インスタグラムの利用者の年齢はフェイスブックより若い傾向があります。若い世代は、フェイスブックのタイムラインがいらない情報が多すぎると感じ、仕事での知り合いがフェイスブックの友達になってしまい、また両親や親戚がフェイスブックを使い始めることが理由で、フェイスブックをやめ、割と単純なインスタグラムに乗り換える人が増えています。利用者を見ると、女性の割合が少し多く53%、男性が47%となっています。インスタグラムは写真がメインなので、映えそうな写真をアップすると、いいね!数とフォロワーが増えます。なので、インスタグラムでプロモーションするときは、文字にこだわるよりも、いい雰囲気の写真の方が重要となります。

 

結論

今回は台湾のネット事情について紹介しました。プラットフォームを選択するときに、利用者数だけで決めるではなく、ブランドのイメージを考えた上で、SNSを通じてプロモーションをすれば、よりいい効果が出るはずです。

 

データ出典:
https://www.slideshare.net/wearesocial/digital-in-2018-in-eastern-asia-86866557