毎年11月11日に開催される中国最大のセールイベント「W11(ダブルイレブン/独身の日)」。もはやただのセールではなく、中国の世相も表すものとなり、世界中から注目を集めております。
今年は例年のような派手なパフォーマンスやリアルタイムでの売上公開がなく、異例とも言えるおとなしい雰囲気のセールとなり話題となりました。それでもアリババだけで5403億元(約9兆7254億円)と前年比+8.45%増の過去最高の売上となっています。
今回はこのセールで一体何が売れたのかを、中国EC分析ツール「ミーエル(※ミーエルVe.2機能を含む)」を使って今回のW11で特に売れたカテゴリにおいて、各ブランドの売上シェア率と販売数量のシェア率について調べてみました。
【調査期間:2021年10月23日~12月7日】
※2021年11月11日を含む
※Tmall内部データの反映が11月11日を含む場合、データ反映に一定程度の時間を要する為、12月1週目の売上データを含めております。
W11(ダブルイレブン/独身の日)とは?
W11(ダブルイレブン)は、毎年11月11日に中国でオンラインで開催される最大のECショッピングイベントです。
公式名称は、「天猫ダブルイレブン/ショッピングフェスティバル」。
11月11日は、独身をイメージする数字の「1」が4つ並ぶことから、中国では「独身の日」と呼ばれています。「独り身でも買い物して元気になろう!」というようなコンセプトでイベントがスタートしました。
2021年W11セール全体の売上は9,523億元(日本円換算約17兆296億円)
W11セール全体の売上は、9,523億元(日本円換算約17兆296億円)となりました。
※2021年10月21日~11月11日までの売上となります。
2021年のW11セールはアリババ以外のプラットフォームも含めるとどのような結果だったのかというと、中国メディアの情報によれば、全国流通総額(GMV)は約17兆円となり、昨年よりも期間比で13.4%も伸びたとのことです。
やはり強い!TMALL(天猫)
各プラットフォームでの取引高を比べると、
1位 TMALL(天猫)
2位 JD(京東)
3位 ピンドゥオドゥオ(拼多多)
1位は不動のTMALL(天猫)ですが、3番手にピンドゥオドゥオ(拼多多)が位置しているということは、中国市場の幅広いエリア(2線都市以下)でも、ECの利用が伸びていることを示しているのがわかります。
W11での人気カテゴリは、「家電」「スマホ」「アパレル」「化粧品」
- 「家電」
- 「スマホ」
- 「アパレル」
- 「化粧品」
今年のW11は618の時と同じく、売上額が最も多かったカテゴリは、上記の4つのカテゴリでした。
他5つのカテゴリの売上が上昇
- 「女性用ナプキン/衛生用品」
- 「美容機器」
- 「キャットフード」
- 「圧縮ビスケット」
- 「ティッシュ」
また、売上ランキングの上位にはランクインしませんでしたが、上記の5つのカテゴリの売上が上昇しています。
売上上昇の詳細については以下にまとめましたのでご参考にください。
女性用ナプキン/衛生用品
W11期間中、衛生用品の売上額は114億元(約2,038億円)で前年比31%増加しました。
美容機器
美容機器に関しては、ComperというブランドはW11が開始してわずか4時間で、2,700万元(約4億8,283万円)を売り上げるなど、2014年から2019年にかけて中国の美容機器の需要は131万台から655.2万台に増加し、年平均成長率は37.79%ありました。
ペットフード
また、ペットを飼うことが人気となっているためペットフードの需要も上昇しています。今年のW11のペットフードの総売上高は4,897万元(8億5,640万円)に達しました。中国のペットフード業界における市場規模は2020年に1,382億元(約2兆4,713億円)を超え、キャットフードが売上げの大部分を占めています。中国では、犬よりも猫の方が人気なのかもしれませんね。
圧縮ビスケット
圧縮ビスケット(保存がきくお菓子類)の売上も上昇していて、圧縮ビスケットをメインに販売している食品ブランドの「比比赞」はスナックカテゴリで売上第4位にランクインしました。新型コロナウィルスの影響で、食品類を貯蔵するニュースがあったことが原因だと考えられます。
TOP3カテゴリ「家電」「スマホ」「アパレル」をミーエルで分析
今回も、売上額が最も多かったカテゴリをミーエルで分析してみました。
各カテゴリの売上高と販売数量を分析しました。さらにそれぞれのランキングとシェア率をまとめていますのでご参考にください。
TOP3カテゴリ「家電」「スマホ」「アパレル」をミーエルで分析
2021年のW11で売れた化粧品カテゴリ
調査対象プラットフォーム:TMALL(天猫)
調査期間:2021年10月23日~12月7日 ※11月11日を含む
調査方法:売上データからトップ100商品を抽出し、ブランド別に該当商品を振り分けてランキング化しました。※販売数量(ブランド別に集計・合算)
カテゴリ分類については、下記の基準にて区分けしております。
家電:「パソコン(タブレット含む)」「テレビ」
スマホ:「スマートフォン」
アパレル:「女性向け衣料品」
化粧品:「パウダー」「口紅」
※本調査は、弊社マーケティングシステム『ミーエル』に基づき調査・分析を行いました。また、カテゴリ分類については、TMALL(天猫)にて登録商品情報から判断しております。
パソコン(タブレット含む)部門
売上高(パソコン※タブレット含む 部門)
※ミーエル調べ
パソコン部門では、売上高で見るとレノボが1位を獲得しています。
第3位は、110カ国以上に輸出している中国ブランドの「神舟(HASEE)」です。
販売数量(パソコン※タブレット含む 部門)
※ミーエル調べ
販売数量で見てみると、1位と2位はレノボとasusで変わりありませんが、第3位は深圳にある「创瑞鑫科技有限公司」が開発販売しているブランド「dere戴睿」です。日本人にはなじみがありませんね。このブランドは価格が安いので、たくさん売れたと考えられます。
テレビ部門
売上高(テレビ部門)
※ミーエル調べ
第1位から第3位まですべてが中国ブランドとなりました。
中国ブランド強し!という感じですね。
販売数量(テレビ部門)
※ミーエル調べ
販売数量は売上ランキングと同じく、下記の3ブランドが上位にランクインしています。
スマートフォン部門
売上高(スマートフォン部門)
※ミーエル調べ
スマートフォン部門では、売上は中国ブランドのOPPOが1位を獲得しています。
618の際に、アップルが1位を獲得していましたが、最近中国ブランドが強くなってきたことで、今回のW11ではOPPOとXiaomiが上位にランクインしました。
販売数量(スマートフォン部門)
※ミーエル調べ
販売数量は中国ブランドのXiaomiが1位を獲得しています。Xiaomiは中国のスマホブランドの中で比較的に価格が安いため、販売数量はOPPOやアップルより多く売れたと思います。
衣料品
売上高(衣料品部門)
※ミーエル調べ
衣料品部門において、「女装(女性用衣料品)」をキーワードにミーエルを活用して調査しました。
結果、以下の通りです。
女性用衣料品の部門では、ユニクロが1位を獲得しています。それに続いて、中国ブランドの「特步」と「李宁」が2位と3位にランクインしました。
※参考:双11尾款首日业绩出炉:优衣库重回巅峰,网红店格局有变?
販売数量(衣料品部門)
※ミーエル調べ
販売数量のランキングも同じく、ユニクロが1位を獲得しています。
2021年のW11で売れた化粧品カテゴリ
今回のW11キャンペーンでは人気カテゴリTOP3を逃してしまった化粧品カテゴリ。中国国産ブランドの台頭が見て取れます。
コスメ(主にパウダー)
売上高(コスメ※主にパウダー 部門)
※ミーエル調べ
まだまだ存在感を示す海外ブランドが多くありますが、売上のシェアで見てみると、多くのブランドがひしめき合っていることがうかがえます。ミーエルの調査では中国ブランドである「花西子」がパウダー部門で1位のシェアとなっていると推察されます。
販売数量 (コスメ※主にパウダー 部門)
※ミーエル調べ
販売数量で見てみるとこちらでも同じく花西子が1位を獲得しています。2位のeverbabは中国のブランドで、3位のinnisfreeは韓国ブランドになります。どれも単価が安いことから、大量に販売できたと考えられます。
口紅
売上高(口紅部門)
※ミーエル調べ
海外ブランドである「colorkey」が口紅部門で1位のシェアとなっていることがデータにて見られます。
そして、2位は中国ブランドのパーフェクトダイアリーで、1位は韓国ブランドの3CEでした。
販売数量(口紅部門)
※ミーエル調べ
販売数量でも同じく海外ブランドのcolorkeyが1位を獲得しています。
最後に
2021年のW11セールの人気カテゴリ別ブランドランキングは以上となります。気になる商品やブランドがあった際には、ぜひミーエルで調べてみてください。2週間お試しキャンペーンを実施中です!
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