2021年1月19日、「抖音支付(DouyinPAY)」が正式的にリリースされました。今回は、抖音支付(DouyinPAY)について概要と決済業界進出の背景について解説いたします。
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抖音支付(TikTokPAY)の概要
抖音支付(DouyinPAY)は、中国版TikTokの抖音アプリの「支付画面(支払い画面)」にAlipay、wechatpay以外に、「抖音支付」が新たに加えられ、「农业银行(農業銀行)」、「建设银行(建設銀行)」、「中国銀行」などを含む約10社の中国の大手銀行カードを設定することが出来ます。
TikTokが決済業界へ進出の背景
このリリースに先駆けて、2020年8月、抖音の運営元であるByteDance社は「武汉合众易宝科技有限公司」を買収し、「doupay」や「抖音支付」などの商標を獲得した上で支払いライセンスの取得に成功し、さらに「douyinpay.com」というアドレスも取得をしました。それと同時に、ByteDance社は「小贷牌照(少額ローンライセンス)、「保险经纪牌照(保険ライセンス)」、「证券投顾(証券投資コンサルタント)」の3つの金融ライセンスも取得していました。したがって、「抖音支付」の使い道は抖音ECライブコマースに限らず、将来的にローン、保険、証券ビジネスにまで展開すると予測されています。
ショート動画が流行るようになった現在、抖音のDAUは6億人を超えて最も使われているショート動画プラットフォームになっています。
しかし、膨大なユーザー数を抱えていますが、ユーザーの消費能力が高いかどうかはまだ見えないところにあります。抖音でのショッピングはオーダー率高いが、返品率も高く、今のところではまだ発展途上にあります。
こうしたことに加え、アプリの特性上やはり単純に動画視聴のみを楽しむ人が多いので、「抖音支付」が果たして流行るのかどうかは懸念の声もあります。
ByteDance社にとってこの事業の第一歩は、まず「抖音支付」の利用ユーザーを増やし、市場を拡大することになります。以前、微信が「春晚(日本でいうと紅白歌合戦)」とコラボして、番組中にお年玉配布プロモーションを実施しました。当時は一晩で2億人の新規利用者がwechatに銀行カードを登録し、wechatpayを開設したのです。春節期間中に「春晚」は最も視聴率が高い番組で、それを狙ったことで微信は一晩で8年以上市場を開拓してきたAlipayのユーザー数に追いつきました。
まとめ
今年は、抖音も微信と同じように2021年の「春晚(日本でいうと紅白歌合戦)」とコラボし、番組中に「红包互动权(お年玉配布プロモーション)」を実施することに決定しました。このチャンスがうまくいけば、「抖音支付」の利用ユーザーは一気に増えることでしょう。
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