コロナ禍でなかなか行けなくなってしまった海外旅行ですが、世界中でワクチンの接種が進み、海外旅行解禁の期待が高まり始めてきました。中国人がコロナ禍明けに行きたい旅行先のNo.1は日本となっており、多くの中国人観光客がまた訪れることになるので、是非今のうちに出来ることを準備しておきましょう。
今回は、中国人インバウンド対策で必ず押さえておきたい口コミサービス「大衆点評」の概要や機能、訪日インバウンド対策としての企業の活用事例をご紹介します。
また、この記事の一番最後に大衆点評日本支社の責任者との対談動画を掲載させていただいておりますので、是非そちらもご覧ください。
訪日インバウンドの市場規模や今後の見通し、中国人観光客を集客するためのマーケティングの全体的な設計については下記の記事で紹介しておりますので、お時間のある時に是非こちらも合わせてご覧ください。
関連記事:【中国人観光客を集客する】訪日インバウンドマーケティング手法
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大衆点評とは?
大衆点評【読み方:たいしゅうてんぴょう、dà zhòng diǎn píng】は、中国の大手企業で香港証券取引所にも上場している美団(旧:美団点評)という会社が運営している口コミ投稿サイトです。
元々はグルーポンのような共同購入サービスを展開していた「美団網」と、口コミサービスを展開していた大衆点評が2015年に合併して今の形になりました。
美団はコロナ禍で大きな話題となったフードデリバリーサービス業界中国No1の売上を誇る「美団外売」というサービスを展開している会社としても有名です。そんな美団点評が運営している大衆点評では、レストランからコンビニ、百貨店、美容サロンから病院などまで幅広いジャンルのお店が掲載されており、3000万軒以上のお店の口コミを見ることができます。
大衆点評のユーザー数
現在、美団・大衆点評は、OMO(Online Merges with Offline)アプリとして、中国で最も利用されている生活情報プラットフォームです。
OMOを簡単に説明すると、オンラインとオフラインを融合するというような意味です。
年間アクティブユーザー数:5.1億人
1ユーザーあたりの年間平均購入回数:28.1回
口コミ数:77億以上
日本での利用ユーザー数
ちなみに、日本で大衆点評を利用しているユーザー数は、
月間利用ユーザー数:50万人以上(2019年データ)
訪日中国人観光客の利用率:45%以上
と言われています。
日本に住む在日中国人からも多く利用されており、在日中国人の口コミが多いお店は、訪日中国人観光客からも人気のお店となります。大衆点評は、日本ではよく「食べログやぐるなびのようなアプリ」と言われることもありますが全く別物で、日本のアプリには無いような便利な機能がたくさんあります。
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どのような機能があるのか
では、一体大衆点評には「どのような機能があるのか?」理解しやすいようにまとめてみました。
お店の口コミ評価
これは日本で有名な「食べログ」などの口コミ投稿のような機能です。大きな違いとしては、
飲食店以外のお店も口コミの対象となっている
「グローバル」で評価を確認出来るということがあります。
例えば、下記の画像のように北京や上海などの中国の都市のお店の評価が見られるのは当然のことですが、東京や大阪などの日本の各都市や、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ソウル、バンコクなど世界中のお店の口コミまで調べることができます。
また、口コミにはハッシュタグをつけることができ、ハッシュタグからお店を探すこともできるようになっています。
クーポン券
訪日観光客に人気の機能となっているのがお得なクーポン券です。下記の写真のようにドラッグストアや百貨店からスポーツショップまで、世界中の様々なお店のクーポン券が掲載されていて、アプリでダウンロードすることでクーポンの利用ができます。
予約機能
飲食店の予約はもちろんのこと、美容室やホテルの予約からなんと美容整形外科の予約などもできてしまいます。
また、チケットの購入機能もあり、映画のチケットやバスや電車などの交通チケット、遊園地や観光地の入場券などもアプリ内で購入ができます。
日本の飲食店やホテルの予約、ディズニーランドや東京スカイツリーなどのチケットも購入できます。もちろん全て中国語で使えるため非常に便利です。
SNS機能
大衆点評は、ただお店を探したり予約をするだけでなくSNSとしても利用されており、中には何百万人もフォロワーを擁するインフルエンサーもいます。
そして、口コミを投稿するとレベルが上がっていく仕組みになっており、フォロワーが増えてレベルがあがると色々な特典があるため、積極的に利用したくなる仕組みになっています。どのような特典があるのかは次に詳しく紹介します。
大衆点評が人気の理由
これだけ支持を集めているアプリなので、たくさんの機能がある以外にも使われる理由があります。
アカウントのレベルが上がっていく
口コミを投稿すると少しずつレベルが上がる仕組みになっていると上記で説明をしましたが、レベルが上がる度に、お店やタクシーの割引券がもらえたり、高速鉄道のVIP待合室が利用できたりするようになります。
レベル上げがゲーム感覚で面白いので、行ったお店の口コミを積極的にアップをするようになります。
特典や収益が得られる
フォロワーが増えたり、レベルが上がってくると、新しいお店が出来た際に招待されるようになります。
さらにフォロワーが多くなると、企業から商品の紹介やお店のPRを依頼されるようになり、インフルエンサーとして収益を得られるようになる人もいます。
不正口コミ対策
また、どのように判別をしているのかは不明ですが、行っていないお店の記事をアップするなどの不正な投稿を判別するのに優れており、そのような投稿は自動的に削除され、投稿したユーザーにもペナルティが与えられます。
この基準はかなり厳しく設定されており、そのようにして口コミの信頼性が保たれています。
圧倒的情報量
とにかく圧倒的な情報量で、ジャンル問わず掲載されていないお店はないのではないかと思えるほどです。一度アプリをダウンロードして日本のページを見ていただくとその情報量に驚くはずです。そさらに口コミがたくさん投稿されていることで、中国人の人口の多さを感じることでしょう。
個人的にですが、東京で本場の中華料理店を探したい時は大衆点評を使った方が間違いないお店を探せます。
【訪日インバウンド対策】企業の活用事例
このように多くのユーザーがお店を探すのに利用しているアプリですから、大衆点評は企業としても活用しない手はありません。特にインバウンド集客には有効ですのでご紹介します。
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1.企業アカウントを作成して情報発信(SNS)
上記で説明した通り、大衆点評はSNSとしても多く利用されております。他のSNSと同じように企業もアカウントを作成して情報発信をすることが可能です。企業の場合は、公式アカウント申請を行い、認証マークの取得することをおすすめします。
2.公式ページを作る
ユーザーがお店の情報を掲載しているので、誤った情報を掲載されてしまっているお店も少なくはありません。企業公式ページを作成して正確なお店の情報を掲載したり、ページ上でセールなどの告知を行ったり、ユーザーからの口コミに返信をしたりできるようになります。
3.クーポン券を掲載
こちらも先に解説した通りよく利用される機能です。ダウンロード数に応じて課金される方法と、売上に応じた成果報酬型の掲載方法が選べます。※成果報酬型は掲載審査があります。
4.ターゲティング広告
年齢や居住エリア、職業、行動や好みなどを選定して、自社の顧客になりえそうなユーザーに対して広告を発信することができます。wechatミニプログラムと京東にはリンクが可能なので、これらにお店があるECサイトの施策としても利用できます。
5.大衆点評のKOL・KOCの起用
大衆点評ではKOLやKOCなどのインフルエンサーを「達人」と呼びますが、達人に自社の商品や店舗を紹介してもらいます。お店に来店してもらい、口コミを書いてもらったり、最近ではLIVEで紹介してもらうことなども人気です。
優良な口コミはお店の資産となりますのでぜひ活用していただきたい施策です。また日本在住の達人も多くいますので今からでも行える対策です。
6.キャッシュバックキャンペーン
自社商品を購入したレシートを大衆点評内でアップしてもらい、抽選で当選者にキャッシュバックをします。大衆点評内にウォレットがあり、当選したユーザーはデジタル通貨でキャッシュバックを受けることが可能になります。
メーカーの販促などに有効な施策です。
7.ハッシュタグキャンペーン
インスタグラムのようにハッシュタグを付けて口コミ投稿をすることが多いので、人気のハッシュタグに自社のPR投稿に活用をしたり、指定のハッシュタグを作成し、KOLやKOCに投稿を促してPRに活用するなどがあります。
まとめ
以上、中国の口コミアプリ「大衆点評」のご紹介でした。今後、回復するインバウンド市場で、中国人観光客の集客に必須のアプリです。お金をかけずにできることもたくさんありますので、是非今のうちから準備をしておいてください。
YouTubeでも解説
大衆点評の簡単な概要をYouTubeでも紹介しています。
5分程度ですので、通勤の行きかえりなどでもお楽しみ頂けます。併せてぜひご確認ください!
特別対談動画!【美団グループ・日本支社マネージャーに聞く】今こそ日本企業や自治体がやるべきこと
大衆点評を運営する美団グループ日本支社の呉文抒さんとの対談をさせていただきました。
この記事を書いた人
早稲田大学在学中に、HP制作会社や広告会社を創業。その後、ENJOYJAPANの立ち上げに参画。 「インバウンド」という言葉がまだ使われていない時期から中国人観光客向けの プロモーション事業を開始し、紙媒体からデジタル化への移行を経験。 メーカーや小売、代理店など幅広いクライアントを担当し、小売りクライアントの 月額免税売上数十億円の達成をサポートするなど、「売上に直結する提案」を得意とする。