中国向けに展開をしている企業やブランドの多くが、小紅書に企業の公式アカウントを開設して日々の運用を行っています。企業の公式アカウントを上手く活用することで自社のファンを増やし、KOLやKOCにかけていた予算を減らすことができるかもしれません。

しかし、ただ漠然と商品やサービスの紹介をしているだけではなかなかユーザーに情報を届けることはできません。当然フォロワーも増えず、結局またKOLに多額の予算をかけることに戻ってしまいます。

今回のコラムでは、当社が様々な企業様のアカウント運用のお手伝いをさせていただく際に実践している運用のノウハウやコツをご紹介します。

日々投稿のネタに困っている…という方にも参考にしていただけるかと思います。アクセス解析や広告の詳細な運用方法などのテクニカルな話はここではしませんので予めご了承ください。

関連記事:小紅書(RED)とは?中国のリアル美容系情報が集まるアプリ
関連記事:中国SNSマーケティングの投稿トレンドを解説【小紅書編】

小紅書の公式アカウント開設に関する資料請求やご相談は下記よりご連絡ください。

小紅書(RED)の“公式アカウント”について

小紅書側に規定の書類や担当者情報などを提出し、審査に通過をすることで上記の画像のようにブランド名の横に「公式マーク」が付与されます。

中国では偽物のアカウントも多く出現するため、ユーザーにとって分かりやすく判断が出来る材料となります。
また、その他にも公式アカウント認証を取得することで、小紅書に店舗を構えることができたり、専用の誘導枠の設置、ブランドに関連する投稿のタグ付け、内部広告出稿、PV数や訪問者属性などのデータを見ることが出来るなどのメリットがあります。
このあたりの一部の機能は運用に必要な機能なので、後ほど解説します。

企業公式アカウントを開設する狙い

具体的な運用方法のご紹介をしていく前に、企業公式アカウント(またはブランドアカウント)を運用する主な目的を確認します。

  • 企業からの公式情報の発信
  • ユーザーと直接コミュニケーションを取ることができる
  • ユーザーのファン化
  • KOL一辺倒からの脱却
  • 小紅書内部広告の活用
  • 偽アカウント出現防止

ざっと上記のようなことが主な目的になるかと思います。

中国人がいくら広告を信用しないとはいえ、やはり公式アカウントからの情報は知りたくなるもの人間の心理です。商品に対して心配事などがあった場合に問い合わせが出来る窓口があった方が良いと言えるでしょう。

既存ファンのユーザーアクションとして、常にブランドが発信する情報をチェックする行動があります。積極的に公式情報の発信を行うことでファンの囲い込みにも繋がり、内部広告も上手く活用すればKOLばかりに使っていた予算を減らすことも可能になります。

また、意外と企業が見落としていることとして、偽アカウント対策が挙げられます。いつの間にか知らないアカウントが偽物を販売しているということなどがないよう、公式アカウントは作っておいた方が良いでしょう。

企業公式アカウントを開設する方法について

企業が小紅書に公式アカウントを開設するには、所定の手続きが必要になります。詳細についてはこちらの記事で紹介をしています。

小紅書企業アカウントの運用方法8選

ここからは、具体的に当社がお客様のアカウントを運用する際に行っている8つの運用方法を紹介します。

※実際に当社で運用をさせていただいているアカウントはここでは公開できませんので、使用している画像はイメージとなることを予めご了承ください。

1.通常投稿(静止画・動画)

業種によって静止画がメインの場合と動画をメインにする場合とで分けます。基本的に化粧品などの商品の場合は静止画をメインにしています。
静止画でも動画でも共通するのは投稿の雰囲気に一貫性を持たせるようにしましょう。投稿に興味を持って、アカウントに来た際に並んでいる投稿のトンマナに統一感があるとイメージが良く、フォローしてもらう可能性を高めます。

2.商品のみの投稿

中国の公式アカウントでは上記のようなデザインをきちんと入れたポスターのような投稿を行うアカウントが多いです。ただ、毎回このようなクリエイティブを作成し続けるのも簡単ではないですし、見ているユーザーも飽きてしまうので、KOLが投稿するようなクリエイティブでの投稿も行っていくとユーザーからの反応も上がります。

これはこれで考えるのは大変ですが、ユーザーから「その撮影用の小道具はどこで買えるの?」などのコメントが来たり、ユーザーとの交流増に繋がります。
ただし、投稿のテイストを変えても、トンマナは前後の投稿と同じになるよう注意してください。

3.モデルを起用した投稿

商品の紹介だけでなく、モデルや自社のスタッフなどを起用した投稿も入れましょう。ブランドの世界観だけでなく、実際に使用するシーンや、使用方法などが具体的に分かる内容が良いです。
使い方を知らなかったり、使い方を間違っているユーザーはブランド側が思っている以上に多くいるので丁寧に説明します。
動画での投稿でも静止画の投稿でも、もしくは両方行っても良いのではないかと思います。

4.KOLやKOC投稿の2次利用

KOLやKOCに依頼をした投稿の中から写真が綺麗なものなどを自社のアカウントでも投稿をします。もちろん許可は必要なので、許可が取れたものだけを使用します。
アカウント開設後は、KOLやKOCに投稿を依頼する際には初めから2次使用の交渉をしておくと後で楽になります。

5.プレゼント企画・抽選キャンペーン

小紅書で公式アカウントを取得すると、抽選して当選者に商品やサービスを無料で提供するなどのキャンペーンを行う機能が利用できます。
その機能を利用して、既存のユーザーとの交流や、新規ユーザーの獲得などに繋げます。
キャンペーン内容はアイディア次第でたくさん考えることができます。

  • フォロワー限定キャンペーン
  • 特定のハッシュタグで投稿しているユーザー限定キャンペーン
  • 新商品のニックネームを募集して応募者の中から抽選して当選者に新商品をプレゼント
  • 商品を利用したストーリーを募集して、応募者に商品プレゼント

【注意点】小紅書のルールが変更されることがある

ただし、今まで出来ていたキャンペーンが、小紅書のルールが突然変更されたことにより、出来なくなることがありますので、そこは随時確認しながら行う必要があります。

6.アクティブ運用

商品やサービスの情報を一方的に発信するだけでなく、上記のキャンペーンのように、ユーザーと積極的に交流をしていく運用を当社では「アクティブ運用」と呼んでいます。
定期的にキャンペーンを行っていく以外には、自社の商品の投稿をしてくれている投稿にいいね!を押したり、コメントをしていきます。
ネガティブな投稿やコメントにも丁寧に対応していきます。
日々様々な投稿をチェックして見つけていく必要があるので、かなり時間と手間がかかる作業ではありますが、なかなか細かく出来ているアカウントも少ないので、逆にきちんと対応していくことで、ファンの増加に繋げられるかと思います。

7.内部広告運用

小紅書で公式企業アカウントを取得すると、広告メニューも利用することが可能になります。細かい内容は別の機会に詳しく書きたいと思いますが、以下のようなメニューがあります。

  • リスティング広告
  • ニュースフィード広告
  • ノート(記事)プロモーション広告
  • 口コミサンプリングプロモーション

自社に合ったユーザーに向けて広告を出すことが出来るので、特にアカウント開設初期などはフォロワーを増やすのに有効です。
低予算で出稿出来るので、色々と試しながら行えるので、是非活用したいメニューです。

8.お役立ちコンテンツ

自社の商品やサービス情報とは関係がなくとも、ユーザーのためになる情報があればそれを編集して記事にします。例えばスキンケアのブランドであれば、日々の生活でお肌のために取り入れたいことや注意したいことなど、自社のフォロワーの興味関心に近いところでのコンテンツにしていきたいところです。

まとめ

以上、当社で行っている運用内容を簡単に紹介させていただきました。よくよく見ると当たり前の運用の話になるかと思いますが、日々投稿のネタを考えているうちに、投稿内容にばかり集中してしまっていつの間にかつまらないアカウントになってしまっていることが多く見られます。

投稿ネタは当社でも頭を悩ませることがありますが、クライアント企業の担当者の方の協力で乗り越えています。
これからアカウントを開設する方、自社で運用していて煮詰まっている方、別の会社に依頼中だけど伸び悩んでしまった方など、一度当社までお気軽にご相談ください。

小紅書の公式アカウント開設に関する資料請求やご相談は下記よりご連絡ください。


この記事を書いた人

目代 有史郎(Mokudai-Yushiro)

目代 有史郎(Mokudai Yushiro)

早稲田大学在学中に、HP制作会社や広告会社を創業。その後、ENJOYJAPANの立ち上げに参画。 「インバウンド」という言葉がまだ使われていない時期から中国人観光客向けの プロモーション事業を開始し、紙媒体からデジタル化への移行を経験。 メーカーや小売、代理店など幅広いクライアントを担当し、小売りクライアントの 月額免税売上数十億円の達成をサポートするなど、「売上に直結する提案」を得意とする。

このライターの記事を読む