中国SNSマーケティングの投稿トレンドを解説【小紅書編】
中国向けの越境ECの販促やインバウンドのプロモーションには欠かせなくなったSNS。多くの企業が様々な方法でSNSマーケティングを活用しています。しかし、SNSマーケティングは多種多様に施策が存在し、なかなかうまく活用できていない企業が多いのではないでしょうか?中国のトレンドは変化しやすく、半年前の情報がすでに古くなっていることは日常茶飯事で、いち早く中国のトレンドを把握して実施することがプロモーションを成功させるカギとなります。
今回のコラムでは特に女性向け商材では最もよく活用されているプラットフォームである「小紅書(RED)」でトレンドとなっている投稿の仕方についてご紹介します。

小紅書について詳しく知りたい場合は以下の記事をご覧ください。
関連記事:小紅書(RED)とは?中国のリアル美容系情報が集まるアプリ

中国SNSマーケティングの定義

中国SNSマーケティングは、企業アカウントを作成して情報を発信したり、アプリ内でのフィード広告を出稿したりその手法は多種多様に存在します。このコラムではインフルエンサー(KOLやKOC)による投稿をご紹介します。
また、今回のコラムではメイクアップ、スキンケア、生活用品のジャンル別での投稿方法を紹介しておりますが、他のカテゴリ商品でもある程度共通する部分は多く、参考になると思いますので是非最後までご覧ください。

KOL(インフルエンサー)の選定について

在日KOL画面比較
日本の商品だから在日KOLを使って宣伝することが適していると考えている日本企業は多いと思いますが、実は中国の消費者が本当にフォローしたいKOLを選んだ方が効果的です。在日KOLは、日本に関連することを紹介するのが特徴で投稿内容が面白いと思いフォローするユーザーも存在しますが、
  • 肌の悩み
  • どのファンデーションが自分に合うか?
  • 口紅の色はどれにしたらいいのか?

など、女性の切実な悩みを解決してくれる投稿のほとんどが中国在住のKOLによるものです。

関連記事:人気の在日中国人KOL(インフルエンサー)20選【小紅書】

また、近年は日本の商品だから無条件で良いという認識は弱まってきており、あえて日本製だということを全面に押し出す必要が無くなりつつあります。

中国SNSマーケティング投稿トレンド【メイク商品編】

小紅書メイクアップ投稿例

ではまずはメイクアップ系の商品を紹介する記事を、実際の投稿を参考にご紹介します。

メイクのノウハウ記事

小紅書メイクノウハウ投稿例

メイク商品を紹介する記事の投稿方法は、商品を前に出して紹介するのではなく、メイクのテクニックやノウハウを紹介する記事として投稿した方がより高いエンゲージメント数を獲得することが出来ます。

小紅書の利用ユーザーの80%以上が女性なので、「メイクテクニックを上達させたい」、「あの人のようなメイクに挑戦してみたい」などと思っている女性ユーザーが多く、気に入った記事を保存して、後で真似してメイクするというのが彼女たちの心理です。そのため、商品紹介ばかりの記事より、女性ユーザーのためになるコンテンツが書かれている記事の方がよりいいねや、お気に入りに追加されます。女性ユーザーはお気に入りの記事を参考にメイクしていきますので、より記事のメイクに近づけるために記事内の商品への関心が高まります。

まとめ記事

小紅書メイクアップまとめ記事
そして、「まとめ記事」も効果的な投稿の仕方の1つです。
「ファンデーション買いたいけど、どのブランドにしたらいいのか︖」と購入したい商品は決まっているが、ブランドの選択に迷っているユーザーはまとめ記事を好む傾向があります。
まとめ記事とは、1つの記事内に複数のブランドの商品が紹介されることです。特徴としては、広告色が低く自然に複数のブランドを紹介することができるため、多くのKOLはまとめ記事を好んで投稿しています。

事例:コスメ編

「ファンデーションを買いたいけど、どのブランドにしたらいいのか?」など、購入したい商品は決まっているけれども、どのブランドの物が良いか迷っているユーザーは、まとめ記事を好んで読み様々な商品を比較します。

事例を参考に投稿テクニックをご紹介します。

メイクテクニック記事の事例

コスメ編メイクテクニック2

新年の運気をアップさせるメイクの方法を紹介した投稿

上記の写真は典型的なメイクハウハウ系の記事です。
テキスト部分の記事タイトルは、記事で紹介するメイクのタイプが分かるように「新年转运妆(新年運が変わるメイク)」と記載しています。
前半の画像ではメイクアップの手順を紹介し、最後に使った商品の写真を載せています。

ここで注目すべき点は、小紅書のアルゴリズムによるトラフィック制限を回避するためにテキストにも画像の中でもブランド名を記載していません。ただ、商品のロゴが分かりやすく見えるような画像を入れており、気になったユーザーが自分で調べられるようにしています。

まとめ記事の事例

小紅書口紅まとめ記事

上の画像は、口紅の色を比較する記事です。

テキスト

各ブランドの口紅の色を紹介し、使った感想を記載しています。

画像

各ブランドの口紅の色を腕に塗って、同一口紅の室内と室外の色を比較しています。
ブランド名の記載は、正式な商品名ではなく、通称名を使っています。

メイク商品編まとめ

化粧品を中国向けにKOLを起用する場合は、

  1. 女性ユーザーのためになるテクニックなどのノウハウを教えるようなコンテンツにすること。
  2. ブランド名は本文に記載せず、通称を使用するか記事のコメント欄で紹介する。
  3.  商品紹介を細かく紹介せず、極力短絡にすること。
  4.  単品で紹介せず、競合にならない他カテゴリの商品と合わせて紹介する。

中国SNSマーケティングの投稿トレンド【スキンケア編】

スキンケア系の商品を紹介するコンテンツで、エンゲージメントが高い投稿は主に下記の3つのような紹介の仕方です。

  • まとめ記事
  • ネガティブレビュー記事(おすすめしない商品特集)
  • 質問系記事

まとめ記事

小紅書スキンケアまとめ記事

まとめ記事は、肌質ごとにおすすめのスキンケア商品を紹介するのが特徴で、1記事中で多数の商品が紹介されます。ユーザーは自分の肌質をキーワードに検索することが多いため、まとめ記事はユーザーにとって商品を選定するのに役立つコンテンツです。

ネガティブレビュー記事(おすすめしない商品特集)

おすすめしない商品

スキンケア商品はコスメと異なり、その効果はすぐに体験することはできません。そのため、多くのユーザーは「踩雷(地雷を踏んだ)」、「一生黒(一生好きにならない)」などのワードを使って、使ってよくなかったスキンケア商品をシェアしています。こういったコンテンツもユーザーにとっては役立つため、高いエンゲージメント数を獲得しています。

質問系記事

質問系記事

質問系をする記事を投稿し、他のユーザーがその記事のコメント欄でアドバイスや回答をする形式のコンテンツです。上記のように白い背景にテキストを書いただけのような画像を投稿することが多いです。

例えば、「敏感肌の私におすすめの化粧水を教えて下さい」などと投稿をすると他のユーザーが自分の体験談をコメントしてくれます。多い時は1,000個以上のコメントが寄せられます。この投稿形式は特にスキンケア系が多く見られます。小紅書を利用するユーザーは自分の生活に役立つ記事を好んでいるため、このような色々な意見を見ることができるコンテンツは人気です。

事例:スキンケア編

ここまで紹介したそれぞれの投稿形式の事例をご紹介します。

まとめ記事の事例

スキンケアまとめ記事事例

上の写真は、スキンケア商品のまとめ記事です。

テキスト

記事タイトルに、記事の目的が分かるよう「各価格帯でおすすめの化粧水」とし、本文では「自分の経済状況に応じて、一番費用対効果の高いスキンケア商品を選びましょう」と書いてあります。

画像

一枚目はこの記事で紹介するスキンケア商品の価格を載せ、2枚目以後は、各スキンケア商品の特徴を細かく紹介しています。
この投稿記事は価格帯をコンテンツの軸にしていますが、ほかには肌質が軸だったり、中国国産品を軸としたまとめ記事だったり様々です。
ユーザーは商品を購入する前に、このような記事を見て参考にしています。

ネガティブレビュー記事(おすすめしない商品特集)の事例

スキンケア記事

上の画像は、おススメしないスキンケアの記事です。

テキスト

タイトルには記事の内容が分かるように「抜草护肤品(おすすめしないスキンケア)」と書き、本文中はそれぞれの商品のお薦めしない理由を書いています。

画像

このような記事は画像の質は二の次になるため、1枚目はおすすめしない商品の全体写真を載せ、2枚目以後は各商品のみが映る写真になっています。明らかに商品に瑕疵があった場合は、その瑕疵部分を写真に撮って載せるユーザーもいます。

質問系記事の事例

質問系記事事例

上記の写真は質問系の記事です。

テキスト

「今まで使ったスキンケアの中で一番よかったものを教えてください」とタイトルのみの投稿形式です。

画像

写真は白い背景に「今まで使ったスキンケアの中で一番よかったものを教えてください」とタイトルと同じ内容の手書きの文字を入れた画像のみをアップしています。
このタイトルと手書きの文字だけの投稿に寄せられたコメント数はなんと3,028件もあり、ユーザーたちは自分の体験談やおすすめの商品をコメントしています。

スキンケア編まとめ

  1. スキンケアは小紅書の中でも非常にたくさんのコンテンツがあるジャンル。
  2. ネガティブレビュー記事で紹介されないことを願う一方、質問系の記事ではユーザーからおすすめしてもらえることを願いましょう。
  3. KOLが投稿するまとめ記事も影響力が大きいので、こちらは積極的に色々なKOLにアプローチをしてみるのと良いでしょう。

中国SNSマーケティングの投稿トレンド【生活用品編】

生活用品(医薬品、収納、文房具、その他など)を紹介するコンテンツで、高いエンゲージメントを獲得している投稿形式は、「书桌分享(机の周りのモノ紹介)」や「翻包记(カバンの中紹介)」と呼ばれる投稿形式です。人気の理由は、他人の生活や持ち物に対して皆興味があるのと、このような投稿は広告っぽさがないことなどが理由のようです。

事例:スキンケア編

ここで事例を2つご紹介します。

机の周りのモノ紹介の事例

生活用品編机の上
テキスト

記事タイトルは、コンテンツの内容が分かるように「奶油希书桌(ミルキーな机)」というキーワードを記載しています。(白+ピンク系の色調)

画像

1枚目の画像は机の全体が分かるように撮影し、2枚目以降で商品が分かるように撮影しています。ここで大事なのは、商品名ではなくどのようなものかが分かるように文字を入れることです。

カバンの中紹介の事例

生活用品編カバン中身
テキスト

カバンの中を紹介する記事は、小紅書での人気コンテンツの1つのため、この記事はタイトルに記事タイプが分かるように「翻包记(カバンの中身紹介」と記載しています。

画像

1枚目は、カバンの中身が分かるように全体を撮影し、2枚目以後は商品をメインに撮影しています。各商品にブランド名ではなく、どのような商品かが分かるようにタグを付けます。

生活用品編まとめ

  1. いろんな商品が記事に露出する「机の周りのモノ紹介」や「カバンの中身紹介」系の投稿形式にすること。
  2. 商品が多いため、写真の質(可愛く見せるなど)を高めること。
  3. ブランド名を記載せず、どんな商品なのかが分かるように通称名などをタグつけること。

KOLやKOCへ依頼する場合の注意点

5年ほど前は、商品の特徴や性能を細かく紹介し、一部の投稿内容は天猫の商品詳細ページよりも細かいような投稿が主流でしたが、今は長文コンテンツが読まれなくなっているのでそのような投稿はされなくなりました。
また、小紅書は広告記事が多すぎるとバッシングを受けたこともあり、ステルスマーケティングへの対策を強化しており、商品の情報を細かく紹介するような広告色が強い記事は、トラフィックが制限される確率が高くなってきています。
その影響で、投稿者本人が本当に好きで普段使っている商品を紹介しただけの記事も制限されることがあります。制限される原因ははっきりしておりませんが、記事中に記載している商品名やブランド名が小紅書のアルゴリズムによって広告記事と判断されてしまったのだと思われます。

その対策として以下のパターンで投稿することが増えております。

① 小紅書の公式プラットフォーム「蒲公英(たんぽぽ)」を通じて費用を払い、広告記事として投稿する。【広告記事】
② 投稿記事内で商品名やブランド名を記載せず、複数の商品と一緒に紹介し、商品の細かい紹介は極力しないこと。【一般記事】
※企業側が費用や謝礼を払って投稿する場合はPR表記を入れることが必要です。

小紅書の公式プラットフォーム「蒲公英(たんぽぽ)」については以下の記事で詳しく紹介しています。
関連記事:小紅書の広告プロモーション活用方法「2021年3月最新版」【5分でわかる】

投稿形式︓広告記事と一般記事の比較メリット・デメリット

ここで、それぞれのメリットを簡単にご紹介します。

メリット

  • 広告記事:商品を堂々と紹介をすることが可能で、トラフィック制限の心配がない。
  • 一般記事:投稿者が本当に使って良かった商品というテーマで紹介でき、視聴者にとって自然な紹介に見える。さらに、KOLの起用費用が安い。
    ※費用や謝礼を払って投稿する場合はPR表記を入れることが必要です。

デメリット

  • 広告記事:広告記事と表示されるため広告記事を嫌がるユーザーに避けられる。小紅書への手数料なども発生するためKOLの起用費用も高額になる。
  • 一般記事:商品名を記事中に入れたり、商品を細かく紹介するとトラフィックが制限される可能性がある。場合によっては記事が小紅書側に削除されることもある。PR表記を入れてもたんぽぽと通していない場合は同様。

広告記事にすると「○○○(ブランド名)とのコラボ」と表示されるため、たんぽぽを通じて広告投稿をすることを嫌がるKOLが数多くいます。
そのため、最近のエンゲージメントが高い記事は、「テキスト内容が少ない」、「写真の質が高い」、「ブランド名を出さずにコメント欄にて対応」の3つが特徴となっています。

ただし、繰り返しになりますが、依頼したKOLから嫌がられても費用や謝礼を支払って投稿する場合は、ステルスマーケティングにならないようにたんぽぽを通すよう説得するかPRを表記が漏れていないか注意してください。

まとめ

以上、今回はメイク系商品、スキンケア商品、生活用品などで、最近多く投稿されている形式を紹介いたしました。
企業としては、自社の商品のことをなるべく細かく、詳しく紹介してほしいという心情は理解できますが、トレンドを無視した投稿をすると、せっかく費用をかけてもほとんど誰にも見られないという結果になってしまいます。

また、KOLもトラフィックが制限されるような投稿は自分のアカウントにマイナスになるため、こちらの希望通りにはなかなか投稿してもらえないでしょう。

小紅書は、自分の生活にとって役立つ情報を探すために利用しているユーザーが多いため、まずはユーザーのためになるコンテンツを発信することを心がけてください。最新のトレンドにのっとったコンテンツ発信にご興味があれば、是非当社までご相談ください。

YouTube動画でも解説

今回のコラムは、YouTubeでアニメーション動画でもご覧頂けます。
5分程度ですので、通勤の行きかえりなどでもお楽しみ頂けます。
併せてぜひご確認ください!

【株式会社ENJOY JAPANチャンネル】


この記事を書いた人

橋本-易珊

橋本易珊

日中のハーフで、13歳まで上海で育つ。新卒で日系企業に入社し、上海支社で勤務。日本に帰国するタイミングでENJOY JAPANに参画。中国の美容系情報に強く、常に流行と最新の情報をベースとした提案を 得意とする。彼女が運用するnoteアカウントも大好評運用中。 Noteアカウント:中国トレンド研究所@橋本  https://note.com/hashimotochan