中国人ソーシャルバイヤーとは? 代理購入ビジネスに注目すべき理由

「中国人バイヤー」「ソーシャルバイヤー」もしくは「代理購入」と聞いて、どのような人たちを思い浮かべますでしょうか?
恐らく、コロナ禍以前にドラッグストアや百貨店で見られた大きなキャリアケースや免税の手提げ袋を抱えて大量に商品を買い込む中国人たちを思い浮かべるのではないでしょうか?
このような中国人バイヤー達が一体どういう人たちで、普段は何をしている人で、そして今は何をしているのか?今回は、私たちの普段の生活の中であまり注目することのない中国人バイヤーついて、詳しく解説をしていきたいと思います。

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ソーシャルバイヤーとは?

ドラッグストアの前で購入した商品をキャリーケースに詰めるソーシャルバイヤー達

ドラッグストアの前で購入した商品をキャリーケースに詰めるソーシャルバイヤー達

ソーシャルバイヤーとは、海外の商品を代理で購入し、購入手数料を上乗せして販売することで利益を得る「代理購入者」のことを言います。

日本では上記写真のような「中国人バイヤー」を思い浮かぶ方が多いかもしれませんね。そんな中国人バイヤーはいくつかのタイプに分けることができます。

まず、

「在日」なのか?「在中」なのか?

そして、

  • 個人で活動をしているのか?
  • 法人として活動しているのか?
  • 自分自身で転売をしているのか?
  • 誰かに頼まれて仕入れだけをやっているのか?

一つ一つ詳しく解説をしていきます。

在日ソーシャルバイヤーについて

まずは日本在住のバイヤーについて解説をしていきます。一昔前まで、特に都心の居酒屋やコンビニエンスストアでは中国人アルバイトの方々をよく見かけていたと思いますが、ここ数年は東南アジア系の方々が多くなり、中国の方を見かけなくなったと思いませんか?

これには様々な要因が考えられますが、大きな要因として、日本に住む中国人留学生達にとって「バイヤー活動」をしたほうが、居酒屋やコンビニエンスストアでアルバイトをするよりも効率よくお金を稼げるようになったためと言われています。

個人のバイヤーか法人のバイヤーか

こういった留学生や普通に社会人として日本の会社で働いている中国人の会社員が、おこずかい稼ぎ程度に個人でバイヤー活動を行います。

そして売り上げが大きくなると、やがて自分で「貿易会社」を立ち上げ、法人として活動をするようになっていきます。日本人でもフリーランスの方が、収入が多くなってくると法人化するのと同じような感覚ですね。

当然、個人で活動しているバイヤーよりも法人として活動しているバイヤーの方が取り扱い金額は大きくなります。

つまり、日本企業が何か意図的に在日バイヤーに「買ってほしい」と思って情報発信などをする場合は、個人で活動をしているバイヤーではなく、法人で活動をしているバイヤーをターゲットにしたほうが、効率的に成果をあげやすくなります

百貨店や量販店での行列

百貨店や量販店での行列

ちなみに、TVやネットの報道などで、百貨店や量販店などで販売されるブランドの限定品や新作のゲーム機などの発売時に、多くの人が列を作って並んで買っている、というニュースがたまに出るのを観たことがある方も多いのではないでしょうか?

実はそのうちの多くが、中国に販売するためにどこかから雇われて並んでいたりするようです。

コロナ禍で在日バイヤー達の活動はどうなったのか

さて、コロナ禍になってこういった在日バイヤー達はどうしているのでしょうか?

バリバリ活動をしています。

昨年、中国でもロックダウンがなされていた頃は、中国国内の物流がかなり滞ってしまっていたため、活動は沈静化をしていましたが、中国国内の経済活動が回復してくるのと同時に、在日バイヤーの活動も徐々に正常化していきました。

ただし、新型コロナウイルスの感染者が出た都市は物流が止まってしまったり、昨年の中国のロックダウン明け直後しばらくは、税関のチェックが厳しくなったりしていましたので、コロナ拡大以前と同じように、という訳ではないようです。ただ、最近また税関のチェックは徐々に緩くなってきているようですので、またさらに活動が活発になるかもしれません。

実は日本経済を支えている!?

こういった在日バイヤー達は、原則パスポートを使って免税で購入していないため、小売店の売上カウント上では「日本人が普通に購入している」というカウントになってしまっています。
つまり、企業の決算や日本百貨店協会が発表する「免税売上」には、この在日バイヤーたちの売上は反映されておらず、彼らの実際の売上規模がどれくらいなのか?誰にも分らないというのが現実です。

正しく把握をしたほうがいいのでしょうが、計測しようがないため、今後も分からないというのが正直な話になります。ただし、こういった数字上では目に見えない『在日バイヤーマーケット』がある、ということを理解しておく必要はあるでしょう。

在中ソーシャルバイヤーについて

在日バイヤーと同様に、在中バイヤーにもいろいろなタイプが存在します。一般的に日本人が「在中バイヤー」と言われて連想するのが、日本に買い付けに来てそれをそのまま持ち帰り、自ら「taobao」や「wechat」で売っていく、という人達ではないでしょうか。

コロナ禍以前、中国と日本を結ぶLCCの直行便がとても格安でチケットを販売していたこともあり、LCCの中心であった関西国際空港周辺の買い物スポットである難波や心斎橋周辺は、こういった仕入れにやってくる在中バイヤーでとても盛り上がっていました。

ちなみに、このLCCと爆買い現象は切っても切れない関係にありますが、とても長くなるのでまた別の機会に紹介します。

さて、ご紹介をしたようなバイヤーも1、2年前までは多く存在していましたが、コロナ禍で中国と日本の往来ができなくなってしまったことを機に、多くの日本製品が越境ECに進出しました。正規ルートで買えるようになったことに加えて、大手のECモールが直営店をオープンしたことでとどめを刺すように価格競争が激化しました。そういったことが原因で、利益を出すことが非常に厳しくなり、現在(2021年4月時点)では、ほとんどその姿を見かけなくなってしまいました。

中国人観光客も実はバイヤーだった?

著者撮影

著者撮影

コロナ禍以前によく見かけていた中国人観光客の団体旅行ツアー、実は「その中の一部人達はただの旅行客ではなかった」ということをご存知でしたでしょうか?

団体旅行者の中には「買い付けツアー」という目的で某大手モールや店舗などからバイヤーとして雇われ、「日本に滞在中はひたすら買い付けをする」という目的を持った団体が2018年頃から増加していました。免税や観光客向けのクーポン、さらには金券ショップで購入した株主優待券まで駆使してできるだけ安く商品を購入し、それを中国本土の依頼主に持ち帰っていました。

これを聞いて驚いた方も多いのではないでしょうか?一言で「中国人バイヤー」「中国人団体旅行者」などと言っても、細かく見ていくと様々な人達がいるということをご理解頂けるかと思います。

現在の在中ソーシャルバイヤーは?

では、コロナ禍になり、在中バイヤー達はどうしていたのでしょうか。まず話は1年前の2020年3月まで遡ります。

2020年3月9日、日本政府は韓国、中国などに対してビザ発給の制限を発令しました。すると在中バイヤー達の日本への入国はストップしてしましたが、すでに日本に滞在をしていた在中バイヤー達は、中国へ帰国することなくそのまま買い付け活動を続けていました。

そして、6か月間という免税対象期間が終わる9月上旬まで活動を続けました。免税対象期間が終わると、今度は日本に留学ビザで滞在している東南アジア諸国の人たちをアルバイトとして雇い、買い付け活動を行っていました。この辺の良くも悪くも臨機応変に対応をする中国人の柔軟さは見習うところも多いですよね。

そして現在は……、と解説をしたいところですが、これもとても長くなるので、また別の機会の紹介させていただきます。

ソーシャルバイヤーの今後

最後に、在日・在中のバイヤー達が、今後どうなっていくのか。私なりの考えをまとめておきたいと思います。

在日バイヤーの今後

まず在日バイヤーについて。

今までと同様に、留学生や会社員、主婦など、自分の友人や親せきを中心にお小遣い稼ぎ程度にバイヤー活動を行うことは、細々とですが続継していくと思われます。

個人的には、バイヤー活動のお小遣いで十分に稼げるので、コンビニや居酒屋では中国人留学生は今後さらに姿を見なくなっていくと思います。

在日、在中で企業を立ち上げ活動をしているバイヤーの今後

そして在日、在中で企業を立ち上げ活動をしているバイヤー達は、

今後さらに価格競争が激しくなっていくことが予想されます。こういったことから多くの在中バイヤー達は淘汰されていくでしょう。

生き残るために、日本の有名大手ブランドだけではなく、まだまだ中国で認知がないブランドをヒットさせるなど、今現在の単純な「横流し」のビジネスからステップアップする必要があるだろうと思います。

大手モールが雇っているバイヤーの今後

そして大手モールが雇っているバイヤー達はどうなるか。

中国のECモールが今後も成長を続けていくことが予想されることを考えると、このバイヤー達も、今後さらに増えていく可能性が高いと予測ができます。

まとめ

「転売」という言葉に対して、私たち日本人はどこかネガティブな印象があると思います。しかし、世界に目を向けて見ると「ソーシャルバイヤー」という言葉はすでに欧米諸国を中心にスタンダードととなっており、日本でもメルカリやYahoo!オークションなどのCtoCサービスがビジネスとして成長を続けています。こういったことを考えると中国人バイヤー達の「転売活動」も、マーケティング戦略として決して目を反らしてはいけない領域であると考えることができます。

今回は以上となります。
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前編と後編に分かれており、各動画5分程度ですので、通勤の行きかえりなどでもお楽しみ頂けます。
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【株式会社ENJOY JAPANチャンネル】

この記事を書いた人

瀧澤-慧

瀧澤慧

一貫して営業畑を歩み、前職の広告代理店でインバウンド事業部を立ち上げ目標売上300%を達成し、その実績を買われ2016年にENJOY JAPANに参画。クライアントはドラッグストアとメーカーが多く、徹底してクライアントの売上向上に尽力してきた結果、一度担当したクライアントは必ずと言っていいほどリピートしていく。