中国で人気のソーシャルECアプリ、小紅書(RED)に、「ユーザーが自分で選んだコメントを一番上に固定できる」という機能がひっそりと実装されました。(一部の人はすでに使用可能になっているようです)この一見大したことのないような小紅書の新機能「コメント固定」の有効な使い方を解説していきたいと思います。

※小紅書(RED)についてはこちらの記事もご覧ください。
関連記事:小紅書(RED)とは?中国のリアル美容系情報が集まるアプリ

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小紅書(RED)の新機能「コメント固定機能」の有効な活用方法

小紅書のコメント固定機能
一部ユーザーにいつの間にか実装された固定ボタン

一般のユーザーにとって「コメント固定機能」の有効な活用方法は、

ポジティブなコメントを上部に固定することでネガティブなコメントを防止します。

一般のユーザーがノートを投稿する際、読者から多くのコメントが寄せられることはめったにありませんが、たまに投稿した内容が小紅書のアルゴリズムに「質の良い記事(ノート)」と判断され、他のユーザーのトップページにピックアップされ、大量のコメントが寄せられたり、その他SNSなどでシェアされたなどして大量のコメントが寄せられることがあります。
(※小紅書で投稿した記事のことをノートと言います。)

コメントが大量に寄せられることはとても嬉しいことですよね。しかし、コメントが増えると「コメント内が荒れる」というケースに遭遇することもあります。

コメントを見ている読者は他人が投稿しているコメントに影響されやすい特性があります。

読者同士で肯定的な意見と否定的な意見で割れてしまうと、コメント欄が荒れてしまうことがあります。コメントを見て逆上し、自身が反論なんかしてコメント欄を荒らしてしまうなんてことがあれば、プラットフォームの規定によりペナルティが課される場合もあります。何よりも否定的なコメントはまだしも、誹謗中傷などネガティブコメントは精神的にもあまり見たくないですよね。

そして、ネガティブなコメントが投稿されてしまった場合、コメントを一つ一つ消すことはとても時間が掛かってしまいます。

自身の記事内のコメント欄が荒れないように、最初からポジティブなコメントを一番上に固定することでネガティブなコメントを「なるべく抑える」ということに繋げていくことができます。

企業の商用プロモーションでの活用法

一方、企業側はどのように活用することができるのか、以下の2つの視点から考えていきます。

  • コメント欄に商品名を固定する
  • ポジティブなコメントを固定する

1.コメント欄に商品名を固定する

ソーシャルメディアの発展によって、中国人の購買行動が変化しました。一昔前はネット広告や街角で広告やCMを見て興味を持ち、自分で検索して購入するという流れが一般的でしたが、ここ2、3年はSNSからECへの導線がより短くなっており、SNS上で「種草」から購入、口コミまでが完結するようになりました。(例:抖音、小紅書)。

【補足】「種草」とは?

中国のネット用語、ネットユーザーがネット上で商品情報を共有したり商品をすすめたりして、見ている人の購買意欲をかき立てる行為を指す。直訳をすると草を植えるという意味。

それゆえに、中国市場において企業はインフルエンサーマーケティングを重要視するようになりました。しかし、広告投稿が増加し、次第に各SNSプラットフォームは広告に対する規制を強めていき、インフルエンサーたちが投稿した記事の中で商品名を出したり、商品の機能を詳しく紹介するような内容は広告と判定し、トラフィックに制限をかけるなどの措置を取りました。

そして、インフルエンサー側はその措置への対応として、コメント欄で商品名紹介する手法をとっています。ただ、コメントの表示順はそのコメントに対しての「いいね」の数によって決定されるため、必ずしも商品名が載ったコメントが一番上に表示されるとは限りません。

そのため、記事を見たユーザーがその商品をいいなと思って詳しく調べたり購入しようと思っても、すぐに商品名が分からず、商品に誘導できず別のことに関心を持ち離脱してしまうなんてこともあります。今度の新機能を使うことでコメント欄の一番目立つところに商品名の入ったコメントを固定することができるようになり、インフルエンサーマーケティングの効果を最大化させることに繋げることができます。
※ステルスマーケティングにならないように注意が必要です。

2.ポジティブなコメントを固定する

2つ目は上記のブロガーはこのコメント固定機能をどう活用するか?でも述べたように、ポジティブなコメントを一番上に固定することで、後から来たユーザーのコメントをポジティブな方向に誘導することができます。

例えば、もしある商品に漠然とした不満があり、その商品に関するノートを読んだ時に批判的なコメントがまず目に入ると、やはり他の人も同じなのだと、その漠然と感じていた不満が確実なものとなることがあります。

逆にポジティブなコメントが多ければ、そう感じていたのは自分だけだったのかと思い、漠然とした不満感を感じなくなることも考えられます。次の画像は、一番上に表示されているコメントがポジティブかネガティブでその後のコメントがどうなるかの比較です。

CPBの乳液に関するノートのコメント欄

こちらは中国で大人気のCPBの乳液に関するノートのコメント欄です。一番上に表示されているコメントはネガティブな場合、その後に続くコメントもネガティブになり、ポジティブだった場合、やはりポジティブな流れになっています。

<操作方法>「コメント固定機能」を実際に使ってみる

<操作方法>「コメント固定機能」を実際に使ってみる

コメント欄で一番上に固定したいコメントを長押しすると、メニューが出てきます。
メニューの一番上に「置顶」(一番上に固定すること)のボタンを押すと選んだコメントは常にコメント欄の一番上に表示されるようになります。

現在、個人アカウントでも、企業アカウントでも同様に利用可能です。もし使えない場合はアプリを最新バージョンにアップデートしてから操作してみてください。
※この機能はまだテスト中なので、すべての人が利用出来るとは限りません。

以上、この新機能を使ったマーケティングなどを実施してみたい場合は、一度お問い合わせください。


この記事を書いた人

劉 怡家(Lyu Ika)

劉 怡家(Lyu Ika)

2021年新卒入社。天津市出身。学生時代からソーシャルバイヤーとしても活動しており、自身で商品選定から、微博や小紅書などのSNSで顧客を募集してきた経験を持つため、中国消費者のニーズやトレンド、行動などを把握している。

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