コロナ終了宣言が告げられた2023年5月。3年3ヶ月と長かったコロナ期間がようやく終わりを告げました。完全に賑わいを取り戻した日本の街なかでは、以前に負けないほどの観光客を、再び目にする事が出来る様になりました。台湾人の日本渡航がようやく実現した今、日本旅行バブルが起きてる今だからこそ、より一層のインバウンドの対策が欠かせません。
本記事では、コロナ前の訪日台湾人観光客市場と共に今後の傾向を紹介、将来につながるより良いPR方法をまとめています。
参考資料を無料配布中
台湾人観光客市場に関する基本情報から、最新の台湾向けインバウンドマーケティング方法などをまとめた資料を無料でダウンロードしていただけます。
1,訪日台湾人観光客の市場
日本政府観光局によると2023年の訪日外国人数は2506万人。外国人観光客の消費額は約5兆3065億円と過去最高を記録し、日本経済に大きく貢献する産業になっています。
コロナ前と比較しても観光客の消費額は増えており、1位に続く宿泊費(18345億円)の次に、買い物代(14043億円)が大きな割合を占めています。
コロナによる入国制限をしたことで、インバウンドに携わる全ての業界が大きなダメージを受けましたが、今は完全に回復したことがよく分かります。そして私達はここによりアプローチをかけ、その収益幅を広げる事ができます。
1(1)日本を訪れた台湾人の数
コロナ開けの2023年に日本を訪れた台湾人観光客の数は420.2万人。韓国の次に続く第2位で全体の16.8%を占めています。台湾の人口が2340万人ほどなので、リピーターを考えず単純計算すると、人口の約20%が日本を訪れている計算になります。
日台交流協会が台湾人を対象に調査した対日世論調査では「最も好きな国」として日本が第1位に選ばれています。更に台湾の街なかでは至る所に日本語が見られ、多くのお年寄りの方は日本統治時代に日本語を教えられました。そして台湾現地の大学では、外国語の授業選択は日本語が圧倒的に人気など、お年寄りから若者まで多くの台湾人が日本に親しみを感じ興味を持っています。日本の文化や四季折々の美しい景色に憧れを抱き、繊細なのに躍動感のあるアニメや漫画に心を奪われ、日本を第2の故郷と呼ぶ人も少なくありません。
1(2)日本を訪れた台湾人観光客の年代・性別
日本政府観光局による「年齢層/男女別 外国人正規入国者数」分析によると、観光目的で来日する台湾人の性別の割合の半分以上が女性であることが分かります。
年齢層は男女ともに20代30代が上位を占めていますが、40代も同様に少なくないことが伺えます。
2,訪日台湾人観光客の消費の行動
日本旅行のリピーターが他の国に比べて圧倒的に多い台湾。コロナ前には「王道の観光コースでは物足りない。」という声も多く出ていましたが、台湾人が日本に来た際に何を購入し、どのエリアを訪問しているのかを調べてみました。
2(1)観光・レジャー目的の台湾人観光客の行動
台湾人が日本旅行で最も多く訪問する都道府県は1位東京都、2位大阪府、3位千葉県、4位京都府です。この3つの県のランキングは他の国からの観光客でも大体同じですが、台湾観光客のリピート率の高さから考えると、2回目以降の旅行は他の県を選んでいるであろうことが見て取れます。
観光の目的は91.8%が「風景・景色の観光」、75.8%が「飲食」、64.5%が「ショッピング」と答え、なかでも「風景・景色の観光」を最も大きな目的と回答した人が59.0%だった。
コロナ禍の影響や台湾の地理地形から見ても、台湾ではキャンプやグランピング、きれいな景色を眺めながら食事をする、など自然と触れ合うレジャーが人気です。今後日本旅行においても、東京や大阪などの都心を見て回るだけじゃなくて、地方にある歴史的建築物、世界遺産、温泉体験など、日本の自然を満喫できるような体験型ツアーも人気になる可能性はあります。
2(2)観光・レジャー目的の台湾人観光客の消費金額
2023年の訪日台湾人1人当たりの支出額は189,117円。コロナ前の2019年と比べると約7万円程高くなっています。内訳の中でも買い物代は34.8%(65,906円)と最も高く、次いで宿泊費28.2%(53,375円)、飲食費21.3%(40,364円)という順番です。
購入した品目はお菓子類が最も多く、1人当たりお菓子に約11,802円消費しているようです。医療品は1人当たり約17,494円、来日前からネットで下調べをし、食べログやKLOOKなども用いて、皆買い物リストを作って来るようです。お菓子類については購入率が77.3%にものぼり、日本食がいかに人気かが分かります。
買い物場所に関してはドラックストアが1位(82.1%)、次いでコンビニエンスストア(81.2%)、空港の免税店(69.3%)となります。訪日台湾人観光客の免税手続き率は66%と中国と香港に続いて、3番目に高いです。「いかに日本の商品をお得に買うか」という事が台湾人にとっては重要なポイントとなっていて、クーポンや割引の利用率は高めです。
3,台湾人インバウンド集客を成功させるマーケティング方法
集客率を上げるにはマーケティングの方法がとても重要な鍵です。旅行客が自国を出発する前からの情報発信は欠かせません。ネット社会が定着している台湾ではインターネットの使用率は91%と非常に高い水準です。コロナ後もネットを用いたPR活動が重要なのは変わりません。
3(1)SNS・動画サイトの自社公式アカウントの運用
台湾で最も使用されているSNSはFacebook(85.1%)、Instagram(68.1%)、Messenger(61%)、TikTok(37.6%)です。(LINEを除く)
動画サイトに関してはYouTube使用者数は1920万人と、全体の80.2%を占めています。次いでTikTok使用者数が18歳以上で565万人です。
引用元:2024年台湾ソーシャルメディア使用状況
SNSはの使用率が年々増加傾向にあり、種類も増えているのは確実です。日常生活中の連絡ツールに留まらず、簡単な口コミ検索、最新情報の入手、ニュース閲覧、情報検索、と幅広い目的に利用されています。若者のテレビ離れが進む中、SNSをPRに使わない手はありません。
また台湾ではLINEの使用率も(90.9%)と非常に高いことから、LINEを使用したプロモーションや広告を出すことも1つの方法です。ただし使用者数が非常に多い事から競争率が高いので、複数のSNSを使用する事をお勧めします。
3(2)インフルエンサーの起用
上記で伝えた様にSNS上での競争率は非常に高いですし、プロに頼らずにフォロワーを増やし閲覧数を稼ぐのはとても大変です。そのため台湾では「網紅(ワンホン)」と称されるインフルエンサーを起用し、宣伝効果を得ている企業が多数あります。
メディアには企業運営や個人運営など、様々なタイプがあります。いくつか紹介します。
3(4)成果報酬型クーポン券の掲載(アフィリエイト)
上記でご紹介した以外にも訪日メディアは多数ありますが、中には掲載費用はかからず、利用実績に応じた成果報酬型で掲載可能なメディアもあります。企業が運営しているメディアから、個人のブログ、SNSまで多くのメディアがあり、有効に活用しない手はありません。
基本的には、小売店のクーポンとなりますが、弊社では数多くの提携先がありますので、ご興味がある方はお問い合わせください。
まとめ
コロナで一度中断を余儀なくされた台湾における「日本旅行ブーム」ですが、その勢いは衰えることなく、台湾人の皆さんは日本に行ける日を今か今かと待ちわび続けています。ぜひ多くの台湾人に彩り豊かな日本の景色、グルメや素晴らしい商品の数々を発信し、何度でも足を運んでもらえるような魅力ある日本をPRしてみてはいかがでしょうか。
当社では、台湾人観光客向けのインバウンドマーケティングの支援を行っております。SNSの運用、インフルエンサーの起用、動画制作、訪日メディアへの掲載など、ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
訪日インバウンドマーケティング支援会社として10年以上の実績があるENJOY JAPANのコンサルタントが貴社の課題にあったご提案をいたします。
この記事を書いた人
変化の早い中国のマーケティング情報を、「早く」「わかりやすく」をモットーに弊社メンバーや専門家などのチームで記事を執筆しています。