タイのSNS事情を徹底解説|Facebook・TikTok・Googleの使い分けと活用戦略

東南アジアインバウンド東南アジアマーケティング
タイのSNS事情を徹底解説|Facebook・TikTok・Googleの使い分けと活用戦略

近年、タイ市場は日本のインバウンド業界において存在感を高めています。
訪日需要の回復に加え、SNSを起点とした旅行情報収集行動が活発化しており、
タイ人観光客向けのプロモーションでは「どのSNSで、どのように接触するか」が成果を大きく左右する時代になっています。

特にタイでは、日本旅行に関する情報収集をSNS経由で行うユーザーが多く、
旅行先・飲食店・ドラッグストア商品・美容商材なども、インフルエンサーや
口コミ投稿をきっかけに認知されるケースが増えています。

本記事では、タイにおけるSNS利用傾向と、インバウンド施策で活用されているSNSマーケティングのポイントについて解説します。

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この記事で分かること

  • タイ人が海外旅行の情報収集に使うメディア1位はGoogle(35.8%)
  • 商品認知・共有ではFacebookが圧倒的首位(約50〜57%)
  • TikTokが商品発見・シェアの第2位として急伸
  • タイ向けマーケティングで「どのSNSに何を投稿すべきか」の戦略指針

タイのSNS・メディア環境:2026年の最新動向

東南アジア屈指のインターネット大国として知られるタイですが、スマートフォン普及率の高さとともに、SNSの利用スタイルは日本とは大きく異なります。日本では「Instagram」や「X(旧Twitter)」が主流である一方、タイではFacebookとTikTokが生活の中心に深く根付いています。

ENJOY JAPANが2026年2月に実施したオンラインアンケート(有効回答数400名・10代〜50代のタイ人)では、メディア接触の実態が具体的な数値で明らかになりました。以下では、調査結果をもとにタイのSNS事情を多角的に解説します。

35.8%48.8%56.8%
旅行情報の
Google利用率
商品認知での
Facebook利用率
商品共有での
Facebook利用率

調査データで見るタイ人のSNS行動

ここからは、オンライン調査をもとに、観光情報・商品認知・商品共有の3つの観点からSNS利用実態を読み解きます。

調査結果1|観光・旅行情報はGoogleが圧倒的首位

「海外旅行時における情報取得先として最も参考となるメディアは?」という質問に対して、Googleが35.8%で1位、Facebookが20.8%で2位という結果になりました。

観光情報取得メディア(複数回答不可)

なぜ旅行情報収集にGoogleが強いのか

タイ人の旅行計画は「検索」から始まります。口コミサイト、旅行ブログ、観光局の公式サイトなど、信頼性の高い情報を網羅的に比較するためにGoogleが活用されています。特に訪日旅行においては、ビザ手続きや交通情報、宿泊先の比較など実務的な情報ニーズが高く、検索エンジンの利便性が支持されている傾向が読み取れます。

マーケターへの示唆

  • 訪日インバウンド向け情報発信では、SEO・MEO(Googleマップ最適化)への投資が最優先事項。
  • 観光スポットや飲食店の場合、Google Business Profileの充実はタイ人集客に直結する。

調査結果2|商品認知はFacebookが約半数を独占

商品情報認知メディア(複数回答不可)

「商品を知るきっかけとして最も適しているメディアは?」という質問では、Facebookが48.8%で断トツの1位となりました。2位のTikTokは16.5%で、両者の差は30ポイント以上にもなります。

タイにおけるFacebookの”特殊な立ち位置”

世界的にFacebookユーザーの高齢化が進む中、タイでは若年層を含む全世代がFacebookを日常的に利用しています。グループ機能を通じたコミュニティ形成や、ライブコマース(Live Commerce)の普及がその背景にあります。タイ人のFacebook上では、友人・知人の投稿がそのまま商品の「口コミ」として機能し、購買意欲につながりやすい文化が醸成されています。

マーケターへの示唆

  • タイ市場へのアプローチでは、Facebook広告・Facebookページ運用が最も費用対効果の高い施策となる。
  • 「友人がいいね・シェアしたコンテンツ」として自然に広がるバイラルコンテンツの設計が重要。

調査結果3|商品共有でもFacebookがさらに強い56.8%

「商品を共有する際に最も適しているメディアは?」という質問では、Facebookが56.8%と過半数を超える結果になりました。2位のTikTokは13.5%にとどまり、Facebookのシェア率が際立っています。

商品情報共有メディア(複数回答不可)

「シェア文化」が根付くタイのFacebook

認知(48.8%)から共有(56.8%)にかけてFacebookのシェア率が上昇しているのは注目すべき点です。これは、タイ人が気に入ったものをFacebook上でシェアすることに積極的であることを示しています。UGC(ユーザー生成コンテンツ)が口コミとして機能し、「発見→認知→共有」というサイクルがFacebook上で完結しやすい環境が整っています。

各SNS・メディアの役割まとめと活用戦略

調査結果を踏まえると、タイのSNS・メディア環境は「目的別に明確な使い分け」がなされていることが分かります。以下に各メディアの役割と、日本企業・インバウンド事業者向けの活用戦略をまとめます。

メディア主な役割推奨施策
Google旅行・観光情報の収集(35.8%)SEO対策、MEO(Googleマップ)最適化、日本語・タイ語のコンテンツ整備
Facebook商品認知(48.8%)・共有(56.8%)Facebookページ運用、ライブコマース、シェアされやすいビジュアルコンテンツ制作
TikTok商品認知2位(16.5%)・共有2位(13.5%)ショート動画による体験・感情訴求、インフルエンサー連携
LINEクローズドな情報共有・クーポン配布LINE公式アカウント、クーポン施策(クーポン利用意欲が高い傾向)

タイ市場でSNSが重要視される理由

タイでは、SNSが単なるコミュニケーションツールではなく、「情報収集」「比較検討」「購買意思決定」という消費行動のあらゆる場面に深く関与しています。

特に旅行分野においては、行き先の検索から始まり、ホテルや飲食店の選定、日本の商品情報の収集、さらには実際に訪れた人の口コミ確認まで、旅のプランニングに関わる多くの行動がSNSやWebメディアを経由して行われています。一連の旅行体験がデジタル上でほぼ完結するエコシステムが、タイでは着実に形成されています。

こうした背景から、タイ人観光客を対象としたインバウンド施策では、従来型の広告出稿だけでは十分な効果を得ることが難しくなっています。インフルエンサーによる体験発信、旅行者自身が生み出すUGC(ユーザー生成コンテンツ)、ターゲットに合わせたSNS広告、そして信頼性を高めるメディア記事──これらを組み合わせた複合的な接触設計が、今や不可欠な戦略となっています。

複合的な接触設計の4要素

インフルエンサー信頼できる人物の体験発信が購買・訪問意欲を喚起する
UGC(ユーザー生成コンテンツ)旅行者自身の投稿が自然な口コミとして機能する
SNS広告ターゲット層に合わせた精度の高いリーチを実現する
メディア記事信頼性・検索流入を高め、認知の土台を作る

これら4つの施策を単独ではなく組み合わせて設計することで、タイ人消費者の「発見→検討→共有」というSNS上の行動サイクルに沿った一貫したアプローチが実現できます。

タイ向けSNSマーケティングで押さえるべき3つのポイント

調査結果と各メディアの役割を踏まえ、タイ人向けインバウンド施策で押さえておくべき3つの実践ポイントを整理します。

1. 「旅行前」と「旅行中・後」でメディアを使い分ける

旅行前の情報収集フェーズではGoogleが強く、旅行体験のシェア・口コミフェーズではFacebookやTikTokが威力を発揮します。インバウンド向け施策では、旅行計画段階のSEO対策と来日後の体験をシェアしたくなるコンテンツ設計の両輪が必要です。

2. Facebookはタイ市場の”ハブ”として機能する

商品認知から共有まで、タイ人のSNS行動のハブはFacebookです。日本企業がタイ向けに公式アカウントを開設する際は、Facebookを最優先プラットフォームに設定することが基本戦略となります。タイ語での投稿はもちろん、タイ文化・行事に合わせたコンテンツカレンダーの策定が効果的です。

3. TikTokを「発見チャネル」として育てる

TikTokは商品認知・共有ともに2位につけており、特に若年層への訴求力が高まっています。ショート動画での「日本体験」の可視化は、タイの若い世代の訪日意欲を刺激する効果的なアプローチです。インフルエンサー(タイ語で「อินฟลูเอนเซอร์」)との連携も有力な選択肢です。

まとめ|タイSNS攻略は「Google × Facebook × TikTok」の三角形

2026年のタイのSNS・メディア利用実態を総括すると、旅行情報収集にはGoogle、商品の認知・拡散にはFacebook、若年層への動画訴求にはTikTokという三角形の役割分担が見えてきます。

インバウンドマーケティングや海外向けECを展開する日本企業にとって、これら3つのプラットフォームを有機的に連携させた戦略設計が、タイ市場での成功を左右します。

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執筆者

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