今回はゲストの方をお迎えしております。韓国企業の方をご招待しています。韓国のFLYING社の代表取締役のシンさんとファウンダーのユンさんにご登場いただきました。多くの韓国人観光客が利用する『FLYING JAPAN』についてお聞きしましたのでご覧ください。
FLYING代表取締役
シンさん
FLYINGファウンダー
ユンさん
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日韓を繋ぐ最大級の日本旅行コミュニティ『FLYING』とは?
ーー早速ですが、FLYING(フライング)という会社とメディアについて簡単にご紹介いただいてもよろしいでしょうか?
シンさん:『FLYING(FLYING JAPAN)』は、韓国で約58万人の会員を持つ、我々FLYING(韓国企業)が運営する日本旅行に特化したオンラインコミュニティサイトです。LINEでお馴染みのNAVER社が運営するオンラインコミュニティとカカオトークチャンネルを通じて、日本の全ての旅行情報を提供しています。また、様々な日本と韓国の企業様との連携を通じて、マーケティングや宣伝広告を展開し、多くの実績を積むとともに会員様への特典やプロモーション提供のための商品開発を行っております。
私たちはより良い日本を知ってもらうために、『より良い旅行を提供する』という想いを持って一丸となって様々な日本の企業様との連携し提案をしております。
ーーシンさんは日本と韓国のハーフでいらっしゃるんですよね?
シンさん:そうなんです。お父さんが日本人でお母さんが韓国人で生まれは日本なんですけど、今は拠点をとして韓国人としてジン・ドンハンという名前でお仕事をしています。
ーーユンさんは純粋な韓国の方なんですよね?
ユンさん:そうです!純粋な韓国人です。
FLYING(フライング)を立ち上げた経緯
ーーそんなお二人が運営されてらっしゃるという『FLYUNG(フライング)』というメディアは、どういった経緯で始められたのか教えてください。
シンさん:FLYINGの歴史を話すとすごく長くなると思うんですけど、FLYING JAPANは2006年度NAVER社のNAVERカフェのコミュニティから始まりました。以前までは一応非営利目的でコミュニティサイトを日本旅行でやったりとか情報発信のツールとして運営をやっていましたが、2016年度から本格的に韓国で広告を展開したり企業提携を行い会社として成長をしてきました。
コロナ禍(COVID-19)の影響で長期間休業していましたが、昨年よりコミュニティ活動と広告事業を再開し、現在は韓国政府の支援を受けて、日本に特化した旅行商品の仲介プラットフォームを開発しました。そのプラットフォームを通じて、より多くの韓国人観光客と日本企業をつなぐ重要な役割を果たしています。
また、今年度には、日本最大級の家電量販店であるエディオンさんと提携を結び、大阪・南海なんば駅前にある「エディオンなんば本店1階」に旅行者支援センターを設置。観光客へのサービスを一層拡充しています。
FLYING(フライング)の運営で大変だったこと
ーーFLYINGを運営していて今まで大変だったことだったり良かったことを教えてください。
シンさん:まず新型コロナウイルス感染症の間は旅行業が大きく低迷していて運営が用意ではなかったですね。しかしながらコロナ前から現在に至るまで様々な企業様と出会い、色々なプロジェクトを生み出していって、カフェの会員様をはじめたくさんの人から応援をいただきました。
そこにすごくやりがいも感じましたし、私もハーフとして領国で育って両国のビジネスだけではなくて、「人と人をつなぐ」という使命感もすごく感じました。そしてきっかけ自体が日本という国だったのでそういった部分ではすごくやりがいのある仕事だと思っております。
ーーコロナ禍ではとくに何が一番辛く感じましたか?
シンさん:まず一つ目は「行けない」ということですよね。
例えば何かオンライン上で仕事をするとなっても、渡航ができないことに加え、会員の方たちもどんどん関心が薄れていくということが心痛い出来事でした。
FLYING(フライング)の魅力について
ーーでは、FLYINGの魅力について教えてください。
①運営スタッフと会員の皆さん
シンさん:FLYINGの最大の魅力は、まず運営しているスタッフたちです。FLYING JAPANを共に育ててくれている一人ひとりのスタッフが、日本への深い想いを持っており、その情熱が魅力的な運営を実現しています。
そして、もう一つの魅力は会員の方々です。私たちは「スタッフ」とも呼んでいますが、FLYING JAPANというコミュニティ自体がオンライン上に存在し、会員同士が積極的にコミュニケーションを取り合いながら、コミュニティを盛り上げてくれる、まさに主役となる存在です。
なのでそこをサポートするスタッフさん達と会員の方達がいなかったら、今のFLYING JAPANはどれだけ私やユンが努力したとしても成し遂げられなかった部分がたくさんあると思うので、やはりFLYING JAPANの魅力は会員の方達とスタッフの皆さんですね。
②豊富なデータ
シンさん:技術的な面では、長年にわたってコミュニティを18年間運営してきた経験が活かされています。また、日本を訪れる自由旅行者が実際に直面する困難や悩みに対する豊富なデータや統計も蓄積されています。
もちろん他にも旅行コミュニティや大手企業のプラットフォームは存在しますが、日本と韓国の両国の特徴や文化、地域の情報を深く理解しながら、コミュニティやプラットフォーム、さらにエディオンなんば本店のオフライン拠点まで活用して新たな挑戦をしている会社は、他にほとんどないのではないかと思っています。
③プラットフォーム、コミュニティ、オフラインの拠点「トライアングル」
シンさん:オンライン上だけでは感じ取れない部分もあるため、プラットフォーム、コミュニティ、そしてオフラインの拠点という3つの要素がうまく連携し、非常に良い循環を生んでいます。この「トライアングル」が、FLYINGの技術的な魅力の一つだと思います。
FLYINGは、旅前、旅中、旅後のすべての段階をサポートできるプラットフォームでもあります。会員同士がリアルタイムで情報を共有できるため、旅行前や旅行中、そして旅行が終わった後も、その情報が「次に旅行に行く人の役に立つんだ」という使命感を、会員の方々が自然と持っているんですよね。
いつかその会員達がスタッフになることもあります。初めて日本旅行に行く際に「FLYING JAPANの情報を見ていました」と言ってくれる方も多いんです。だからこそ、私もFLYING JAPANで活動しながら、新しく日本に行く方達に、自分が知っている素晴らしい日本をぜひ知ってほしいという声をたくさんいただきます。
そんな声を聞いていると、もちろん会社として営利目的は非常に重要ですが、そんな純粋な会員の皆さんのおかげで今のFLYING JAPANが成り立っています。だからこそ、プラットフォーム、コミュニティ、そして会員達の情熱が、FLYING JAPANの最大の魅力だと思っています。あとはもうファウンダーのユンさんの“髭”くらいかなと思っています。
全員:笑
FLYING(フライング)はどんな利用をされている?
ーー私たちのように日本に住んでいて、普段NAVERカフェにアクセスする機会が少ない者からすると、主に旅行前の情報収集に使うイメージが強いですが、実際に旅行中の方もそういったカフェを利用してコミュニケーションを取ることは多いのでしょうか?
シンさん:多いですね。理由としては、韓国と日本では「N字旅行」という表現をよく使いますが、ヨーロッパや他の国のように一度行ったら終わりではなく、例えばソウルからプサンに行くよりも、福岡や大阪、東京に行く方がいいなと思う方が多いんです。しかも、無計画で旅行に出る方も少なくありません。実際に現地に着いてから「あれをしたい」「これをしたい」と思った時に、リアルタイムで質問を投げかけることができ、それに対して私たちが情報を提供するのはもちろん、会員達も「このお店がおいしい」「これを買った方がいい」「ここが安い」などといった情報を共有し合っています。そのため、旅行中にカフェを利用する方のアクセスは、むしろ多いかもしれませんね。
現在活動中のユーザーリストも確認できるのですが、それを見ると、旅行前、旅行中、旅行後の利用が結構均等に分かれていますね。
ーー実際に画面で、例えば本日5月15日ですけど、「今まさに日本にいる方が投稿している」方の投稿もあったりしますか?
ユンさん:もちろんありますよ。これは仲間探しの投稿ですが、例えば「今日15日に新宿で夕食を一緒に食べる方を探しています」といった形で、リアルタイムで一緒に食事や観光を楽しむ相手を探すことができます。
ちなみに昨日の投稿ですけどこれは「京都の一人旅中」みたいですね。
シンさん:ある意味SNSやブログのような雰囲気も結構あります。情報を共有したり、自分の体験や感想を表現して、誰かとその時間を共有したいという機能も備わっています。韓国では、日本ほどX(旧Twitter)が使われていない印象ですが、NAVERカフェでは、まるでXに投稿しているような感覚でコミュニケーションを取ることが多いですね。
FLYING(フライング)の今後の展望
ーー続いてなんですけども、18年の歴史を持つコミュニティサイト『FLYING』ですが、今後どんなメディアにしていきたいとお二人は考えていますか?
シンさん:今年のプロジェクトでは、オンラインとオフラインの融合が大きなテーマでした。私たちは、オンラインとオフラインの両方を網羅しながら、韓国からの観光客向けにコンテンツ制作や情報発信を中心とした様々なサービスを提供することが重要だと考えています。そして、この基盤をもとに、日本の企業様と共に、より効果的な協業ができるメディアを目指していきたいと思っています。
私たちは、日本の地域、社会、文化的特性を考慮し、どれだけ日本という国に特化できるか、そしてどれだけニッチな部分まで最適化できるかを常に考えています。その考えをベースにしたコンテンツ作成やプラットフォームを構築し、現在メインターゲットである韓国からのインバウンド観光客はもちろん、すべての海外から日本に訪れる観光客が簡単にアクセスして利用できる便利なサービスを提供するメディアを目指して努力しています。
FLYING(フライング)の活用方法
ーーそのようなビジョンを持つ中で、恐らくFLYINGというコミュニティを活用しようとする企業が今後ますます増えていく予定だと感じていますが、日本企業の皆さんには、FLYINGというメディアをどのように活用してもらいたいとお考えですか?
シンさん:実際、日本と韓国は非常に近いにもかかわらず、意外と日本の素晴らしい大手企業の商品が韓国で知られていないことが多いです。また、認知の段階でアプローチの頻度が足りていなかったり、曖昧な広告や露出がされているため、なかなか浸透していかないのが現状です。
そこで、FLYINGを活用することで、私たちは長年日本旅行のコミュニティを運営し、会員達が日本に対して深い関心と理解を持っているという強みを活かせます。私たちは韓国でも長期間にわたりコンテンツの広告を行ってきたため、韓国の人々がどのようなコンテンツや広告を「面白い」「行ってみたい」と感じるかをよく理解しています。そのため、韓国での広告が難しいと感じられている部分も、最適にサポートできると考えています。
FLYINGは、韓国と日本をつなぐ重要なキーマンとして、単なる広告媒体に留まらず、特典や割引などのサービスを提供し、会員達にも多くのメリットを還元するビジネスモデルを築いています。
このような循環の中で、FLYINGを通じて韓国との接点を着実に作り出すことで、より良いブランドイメージは自然と後からついてくるものだと思っています。ですので、企業や製品の広告において、ブランドイメージを高める最も効率的な近道になるのではないかと考えています。
ーー単純にバナーを貼って終わるような広告よりも、このカフェ内で会員同士がコミュニケーションを取り合いながら、少しずつでも商品の魅力やサービスの魅力を伝えていくような取り組みの方が、「FLYING」というメディアの特性に非常にマッチしていると感じました。そうした積極的な交流の中で、自然に商品やサービスの良さが伝わっていくのが、FLYINGの強みだ私も思いました。
【最後に】インフォメーションセンターとしての機能について
ーーでは、最後に何度かお話に出てきたエディオンなんば本店との取り組みについて、改めてご紹介いただけますか?
シンさん:昨年から様々な協議を進めてきましたが、基本的には旅行者案内所のようなインフォメーションセンターの機能を持っています。
しかし、全くそういった堅苦しいイメージではなく、韓国の方々も日本の方々も観光で訪れた際に気軽に立ち寄り、さまざまな情報を得られる場所です。また、オンライン上で行われていたコミュニケーションをオフラインでも実現したいという意図もあり、オンラインサービスをオフラインに移すことを目的として、旅行者支援センターを設置することになりました。
その中で、提供するサービスとしては、例えば荷物の保管や、大阪一帯のおいしいご飯屋さんの紹介などがあります。常にユンとスタッフ2名が滞在しており、何かお困りの際には、弊社のプラットフォームの説明や、日本国内の日帰りツアーの商品紹介・販売なども行っています。空間自体も非常におしゃれに作り上げ、誰もがここで心地よく、充実した時間を過ごせるような場所を目指しています。見た目も西麻布にあるような立ち飲みバーをイメージしたデザインに仕上げました。
さらに、日本企業とのポップアップやショップインショップの展示も予定しており、韓国で人気のコスメや家電など、さまざまな商品を訪れた方々が直接手に取って体験できる展示ブースも設ける予定です。また、旅行者向けにさまざまなレンタルサービスを提供するほか、法的な問題や悩みがあった際にも、外国人観光客が感じる不安を軽減できるように、私たちが総合的にサポートする体制を整えています。
ーーなるほど、韓国人の旅行客の駆け込み場所というか、困りごとに関してサポートする場所みたいな感じですね。
シンさん:立地に関しても非常に便利で、「南海なんば駅」に位置しています。関西空港からラピートに乗ると、必ずなんば駅で降りることになるので、駅を降りたらすぐ目の前にあります。このロケーションは、韓国からの観光客にとって非常にアクセスが良く、利用しやすい環境になっています。
ユンさん:こんな感じです。
シンさん:こんな感じで、「ここは何だろう?」というような好奇心を掻き立てるような場所にしたいという意図があります。医者の白衣ではないですが、弊社のユンが紺色のガウンを着て、「皆さんの旅行を診断します」というコンセプトで作り上げました。サイネージやデジタル広告などを活用して、多くの方に認知していただけるようにしています。
また、ちょっと休憩したい方や、充電が必要な方、自転車のレンタルを利用したい方など、多様なトータルサービスを考えています。ここで気軽にお話しして、情報を得られる場所になるように設計しています。オープンは6月末を予定していますので、楽しみにしていてください。
オープンした際には、ニュースリリースも発信する予定です。まずは韓国の観光客の方々に知っていただくことが最初の目標で、日本のさまざまなメディアからもすでに多くの取材依頼を受けています。そのような露出が始まると、韓国政府としても「韓国の観光客のためにこんな取り組みをしているんだ」という認識が広がり、提携先がさらに増えていくことを期待しています。そうした動きが広がった後には、日本国内でも「こういったサービスを提供している」ということを大々的に知っていただきたいと考えていますので、引き続きご協力いただければと思います。
ーーありがとうございます。本日はさまざまなお話を伺い、本当にありがとうございました。お二人の熱い思いが、動画を見ている皆さんにもしっかり伝わったのではないかと思います。それでは、また次回お会いしましょう。アンニョン!
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インタビュイー
一貫して営業畑を歩み、前職の広告代理店でインバウンド事業部を立ち上げ目標売上300%を達成し、その実績を買われ2016年にENJOY JAPANに参画。クライアントはドラッグストアとメーカーが多く、徹底してクライアントの売上向上に尽力してきた結果、一度担当したクライアントは必ずと言っていいほどリピートしていく。