抖音(Douyin)のEC「抖音小店」とは?「興味EC」についても解説

2021年4月8日、TikTokの中国本土版「抖音(Douyin/ドウイン)」は、抖音ECエコシステム大会を開催しました。そこで抖音EC事業「抖音電商」のTOPである康沢宇総裁は、抖音ECの強みとなる「興味EC」という概念と、これから先1年間の目標について語りました。今回は、抖音EC「抖音小店」の概要説明と興味ECについて解説いたします。さらに抖音ECの今後の目標などもまとめていますのでぜひご覧ください。

抖音(Douyin)EC「抖音小店」とは?

抖音(Douyin)ECプラットフォーム「抖音小店」とは?

抖音(Douyin)のECプラットフォーム「抖音小店」とは、2019年末にリリースされたECプラットフォームで、動画やLIVEの中で商品リンクを貼り、ユーザーはダイレクトにリンク先から商品を購入することができるサービスです。

元々タオバオや京東、蘇寧、VIP.comなど他のプラットフォームの商品のリンクを貼り、そこから購入することができていましたが、LIVE配信にはリンクの貼り付けができなくなる措置を行いました。

外部ECプラットフォームの商品リンクを遮断した理由

これまでの1年間、抖音はプラットフォーム内で「ショッピングカート」、「POI」、「抖音支付(DouyinPay)」などのECに関する機能の開発に力を入れてきました。

抖音には大量の動画コンテンツがあり、消費者の趣味嗜好が読み取れるため、ユーザーの行動データを大量に獲得し続けていくことができました。

そして、このユーザー行動データは、

  • EC機能のユーザー特徴
  • プロモーション
  • トランザクション
  • コンバージョン

上記機能にデータを反映し、最適化することができるようになりました。

そして、2020年10月に自社でECを展開していくと決めた抖音は、「抖音小店(TikTokEC)」を強化するためにTaobaoやTmall、京東、蘇寧、VIP.comなどの外部ECプラットフォームへの商品リンクを遮断しました。

さらに一部の報道によれば、抖音は広東、雲南、浙江、河南など中国の一部の地区に倉庫を設置し、物流領域でも他のプラットフォームに追いつくよう、サプライチェーンの構築を急いでいるようです。

抖音の強みとなる「興味EC(インタレストコマース)」とは?

抖音の強みとなる「興味EC」とは?

「興味EC(兴趣电商/インタレストコマース)」とは、抖音の説明によると、

ユーザーが特定の商品を買うためにショッピングするのではなく、たまたま観た動画をきっかけに、ある商品に興味を湧き、ショッピングに至る行為を促す、いわゆるユーザー自身が気付いていなかった潜在ニーズを発掘すること

だと説明しています。

抖音ECの調査によると、多くのユーザーは買い物する前に明確な計画はありません。消費者は明確なニーズ(買う物が決まっている)があった時にだけ「淘宝(タオバオ)」などのECプラットフォームで買い物します。

一方、抖音はその逆を狙っていて、例えば消費者が抖音のコスメ紹介動画やファッション紹介動画などを観た際に、動画の左下にある「カート」ボタンをクリックすれば動画で見た商品をすぐに購入することが出来ます。つまり、抖音ECは「街をぶらぶらしていること」と似ていて、たまたま見かけた商品に興味を持ち、衝動買いをしてもらうことを計算して設計しています。
この行動は、2019年にgoogleが提唱した「パルス型消費行動」と同様の定義とも言えそうです。

抖音(Douyin)EC事業の今後の目標

康沢宇総裁は、これからの1年間で、

  • 1,000社の企業と100個の新規ブランドの年間売上高を1億元(約16億円)以上
  • 1万人のTOPインフルエンサーの年間売上高を1,000万元(約1億6,000万円)
  • 10万人のインフルエンサーの年間売上高を10万元(167万円)
  • 100個の高品質な商品の年間売上高を1億元(約16億円)

上記売上高を突破することを目標として掲げました。

「興味EC」は、ショート動画とライブコマースで、ユーザーが好みそうな商品をレコメンドし、購入に繋がれば情報が蓄積されていきます。そして情報の精度が上がり、よりユーザーの潜在ニーズを引き起こしどこまで成長するのか注目を集めています。

中国ライブコマース業界の動向

あるデータによると、

2019年の中国のライブコマースの総GMVは3,000億元(約5兆160億円)を超え、将来的には1兆元になると予想されています。

そして、MCN(マルチチャンネルネットワーク)機関は急速に発展しており、市場規模は100億元(約1,672億円)を超えています。
ライブコマースは現在中国で最も流行っているショッピングツールとなっており、ライブコマースを実施するセールスKOLも年々成長しています。

これにより、「淘宝網」、「抖音(TikTok)」、「快手(クアイショウ)」、「拼多多(pingduoudo)」、「B站(ビリビリ動画)」、「小紅書(RED)」などのインターネット企業が次から次へとライブコマース業界に参入し始めています。
現在のライブコマース業界において、

  • 「淘宝網(タオバオ)」
  • 「快手(クアイショウ)」
  • 「抖音(ドウイン)」

の3社が最も有力なプラットフォームとなっています。

関連記事:快手の越境EC「快手進口店 」と出店・販売方法を解説

有力プラットフォーム3社の特徴について

「淘宝網」、「快手」、「抖音」の3社の特徴について解説いたします。

淘宝網「淘宝直播(タオバオLIVE)」

有力なサプライチェーンと、すべてのカテゴリをカバーするSKUにより、DAUこそ他と比べて高くありませんが、コンバージョン率は非常に高く注目されています。
アリババが内部計算をしたところ、外部リンクへのクリック(1,000回)と、タオバオ内部リンクへのクリック(1,000回)のコンバージョン率を比較した結果、内部リンクの方が外部リンクよりも40倍高かったという話もあります。

快手(クアイショウ)「快手直播(快手LIVE)」

独特の「老铁文化(※)」は、ライバーと消費者間の信頼関係を築き、フォロワーの忠実度が高いのです。
※老铁文化:仲がいいという意味で、フォロワーとKOL間の強い絆を表す言葉になっています。

抖音「抖音直播(TikTokLIVE)」

「流量黑洞(トラフィックブラックホール)」と呼ばれており、動画はユーザーの興味嗜好に合わせてアルゴリズムで表示されるため、一人当たりの使用時間が増え続けています。抖音の動画及びライブコマースは、「潮(おしゃれ)」、「酷(クール)」が特徴で、そのため若者の利用率が高く、ブランドにとっても商品を販売するのに有力なプラットフォームとなっています。

そして、これまでは数多くの芸能人が抖音のライブコマースを通じて商品を宣伝し、抖音も芸能人のライブコマースを売りにしてきましたが、ここ最近ではブランド側が開催するライブコマースが多くなりました。

また、抖音はより多くのブランドがアカウントを開設できるように、「百大增长计划(100社の成長計画)」という企業アカウントの露出度を高める計画を出しました。
抖音はSNSプラットフォームとしてすでに高い位置にいますが、これからはその圧倒的なユーザー数を活かして、ECプラットフォームとしても消費者に認知してもらうよう進めています。

まとめ

まだまだこれから伸びそうな抖音ECである、「抖音小店」に出店をしてみたい企業様は一度当社までご相談ください。
出店方法については、私のnoteでも紹介をしておりますので、こちらも合わせてご確認ください。

【外部リンク】
抖音(TikTok)のECプラットフォーム・「抖音小店」の出店方法についてご紹介します

YouTube動画でも解説

今回のコラムは、youtubeでアニメーション動画でもご覧頂けます。
5分程度ですので、通勤の行きかえりなどでもお楽しみ頂けます。併せてぜひご確認ください!

【株式会社ENJOY JAPANチャンネル】


この記事を書いた人

橋本-易珊

橋本易珊

日中のハーフで、13歳まで上海で育つ。新卒で日系企業に入社し、上海支社で勤務。日本に帰国するタイミングでENJOY JAPANに参画。中国の美容系情報に強く、常に流行と最新の情報をベースとした提案を 得意とする。彼女が運用するnoteアカウントも大好評運用中。 Noteアカウント:中国トレンド研究所@橋本  https://note.com/hashimotochan