中国版インスタグラムと呼ばれているSNSアプリ「小紅書(RED)」。月間アクティブユーザー2.6億と絶大な人気を誇るこのアプリは、女性の利用者が多く「中国のすべての美容情報が詰め込まれている」とも言われています。

また、旅行に関する投稿も非常に多く、旅行先の情報収集にも広く使用されているため、訪日インバウンド対策としても重要になっています。今回は、中国向けにマーケティングを行う上で外せないプラットフォーム「小紅書(RED)」について概要や利用方法やビジネスでの活用方法ご紹介します。

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小紅書(RED)とは?【中国版インスタグラム】

搜狐
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小紅書(通称RED BOOK、レッドアプリ)とは、2013年に毛文超と瞿芳によって設立された行吟信息科技有限公司という会社が手掛ける、EC機能の付いたSNSアプリです。

※【外部リンク】小红书_标记我的生活

日本人がなじみ深いサービスで例えると「進化したInstagramに小規模のamazonのようなEC機能が付随している」というイメージでしょうか。アプリのUI(ユーザーインターフェース)はインスタグラム(Instagram)に近く「中国版のインスタグラム」と言われ日本でも注目を浴びています。

利用ユーザーと投稿内容の特徴

小紅書ユーザーの行動パターン
小紅書(RED)ユーザーの行動パターン ※出典:小紅書媒体資料

2022年末の時点で、月間アクティブユーザー数2.6億人、デイリーアクティブユーザー数約1億人以上となり、中国人女性で知らない人はいないと言われる超有名アプリです。

元々は化粧品の口コミアプリとしてスタートした背景があり、現在の利用ユーザーの男女比は7割以上を女性が占めています。
さらに都市部に住む所得の高いユーザーが中心という特徴があり、データ会社である千瓜数据によると、ユーザーの50%が1線2線都市に住んでいて、90年代生まれが72%と公表されています。

その投稿内容は、化粧品やファッションの情報はもちろんですが、今では旅行や観光情報、ダイエット情報、エクセルの使い方など、幅広く様々な情報が投稿されています。
そのためか、百度などの検索エンジンを使わずに、小紅書で関心事や知りたい内容を検索するユーザーが多くいます。

小紅書(RED)のビジネス背景

少しビジネス目線のお話で、開発元である「行吟信息科技」という会社の面白いところをご紹介します。
急成長を遂げた多くの中国ベンチャー企業は、アリババかテンセントかの資本が入ることが多く、例えばアリババの資本が入ったらアリババの影響力が強くなり、逆にテンセント系のサービスとは連携が難しくなるという傾向にあります。しかし、行吟信息科技はアリババとテンセントの両方の資本が入り、かつ株数が同数のため両社とバランスよくお付き合いをしてきた会社です。

なぜ「してきた」という過去形の表現をしたのかというと、まだテスト段階のようですが、
2020年9月に小紅書のライブ配信「小紅書直播間」からアリババ傘下のECモール「淘宝」へのリンクができるようになったからです。

※2023年現在リンクができなくなっております。

それまでの小紅書は、自社でECモールを展開していることもあり、他のECモールを始めとする全ての外部へのリンクを貼ることができませんでした。
しかし、天猫や京東を始めとする大手ECプラットフォームの販売力が強すぎるため、新規参入になる小紅書は思ったほどECで売上を上げることが出来ず、結局自社だけでEC機能を簡潔させるのに限界を感じたため、このようなテストがスタートしたのではないかと言われています。
だからと言って、小紅書も自分たちでEC機能を持つことを諦めたということではないようなので、今後どのように進化をしていくのかが楽しみです。

小紅書(RED)の最近のビジネス動向と注意点

2021年4月以降、何度か小紅書を運営する「行吟信息科技」がアメリカで上場をする準備を進めている、というニュースが何度か流れました。ただし、米中関係の影響などからアメリカ上場は断念したと見られます。ただ、それでも11月に5億ドル(約550億円)の資金調達を行い、企業アカウントと個人アカウントの区分を廃止して「プロアカウント」を取得すれば個人でも商品を販売できるようにしたりするなど新たな収益源を模索しながら、香港市場への上場に向けての準備を着々と進めていると思われます。(小紅書は否定)

一方で、「やらせ」が顕著化しており、「いいね!」数を増やすための専門業者が存在するなど、ユーザー体験を混乱させるようなマーケティング手法が問題となっています。
そういったことを背景に、2019年1月から2020年11月までの約2年間で、ユーザー数が減少に転じてしまいましたが、アルゴリズムを強化しステルスマーケティングと見なされるような投稿の排除を徹底するなどをして、2021年は大きく盛り返してくるようになりました。

今後上場に向けて、収益化とユーザー体験のバランスをどのように取っていくのか。
中国市場でも注目を集めています。

小紅書(RED)の登録方法と利用方法

  1. アプリストアからダウンロード(「小紅書」で検索してみてください)
  2. アカウント登録を行う
  3. ログイン方法を選択
  4. 電話番号を登録

ブラウザ版が存在する

アプリだけでなく、誰でも気軽に見れるブラウザ版も利用することができます。
アプリ版と比べて、いいね数やフォロワー数が見られなかったり、検索ができなかったりと、利用できる機能は制限されていますが、あらかじめ小紅書(RED)はどんなアプリなのかブラウザで確認することができます。

小红书_标记我的生活:http://www.xiaohongshu.com/

上記リンクの「社区精选」と書かれている箇所をクリックすると投稿が表示されます。

小紅書(RED)に企業公式アカウントを開設する方法

企業が小紅書に公式アカウントを開設するには以下の書類が必要です。

  1. 公式申請するブランドやロゴの商標登録証+中国語翻訳 ※日本国内の商標でOK
  2. 商標を取得済みまたは申請中のロゴデータ
  3. 御社の履歴事項全部証明書+中国語翻訳
  4. ご担当者の氏名、パスポート、携帯番号、メールアドレス
  5. 企業アカウント用の携帯 ※上記と同じで大丈夫です
  6. アカウント開設申込書 ※上記書類は必要最低限のものになり、RED側から追加資料を求められる場合があります。
注意事項

※業種によっては公式認証が取得できない場合があります。上記の書類を用意したら、まずは上記【5】で用意した携帯電話で小紅書の一般アカウントを作成し、申請手続きを行います。

企業公式アカウントの作成代行も承っておりますので、サポートが必要な場合はお問い合わせください。

小紅書(RED)の企業公式アカウントの開設代行の
ご相談はこちらからお問い合わせください。

小紅書(RED)の企業の活用例

「完美日記(perfect Diary)」「花知晓的(Flower Knows)」「資生堂」の公式アカウント
上記は左から、「完美日記(perfect Diary)」「花知晓的(Flower Knows)」「資生堂」の公式アカウントです。

上記は左から、「完美日記(perfect Diary)」「花知晓的(Flower Knows)」「資生堂」の公式アカウントです。上記は、中国の大人気コスメブランド「完美日記(Perfect Diary)」と、日本にも上陸している中国ブランド「フラワーノーズ(FlowerKnows)」、そして日本を代表するブランド「資生堂」の公式アカウントです。

※関連記事:中国コスメブランド「完美日記」のマーケティングはKOL依存?

公式アカウントを開設した企業は、自分たちで発信したい情報や、実際に使用したユーザーの口コミ、EC機能を一つのアカウントの中で運用しています。

InstagramにもEC機能は付いていますが、購入はそれぞれの出店企業のページへの外部リンクとなっています。比較して小紅書は情報収集から購入までが小紅書内で完結するため、ユーザーにとってはストレスなく買い物することができます。冒頭で、小紅書は「進化したInstagramに小規模のamazonのようなEC機能が付随している」と例えた意味が、お分かりいただけましたでしょうか?

小紅書は特に美容系商材を扱う企業にとっては必須のマーケティングプラットフォームとなっており、最新の広告活用方法やマーケティング時の投稿方法のトレンドなどについては以下の記事で紹介しています。

※関連記事:【小紅書・RED】企業公式アカウントの運用方法8選
※関連記事:小紅書の広告プロモーション活用方法「2021年3月最新版」【5分でわかる】
※関連記事:中国で人気のSNSと実際のマーケティング活用事例をご紹介

小紅書(RED)企業アカウント取得後の具体的な運用方法をご紹介

当社が様々な企業様のアカウント運用のお手伝いをさせていただく際に実践している運用のノウハウやコツを下記の記事で紹介しています。どの企業担当者様も実践しやすい運用方法を掲載しています。

訪日インバウンド対策に小紅書(RED)の活用は必須

小紅書は、訪日中国人観光客へのPRや、集客のために必ず活用したいプラットフォームです。多くのユーザーが、自分が行った旅行先で撮影した画像や動画を投稿しており、そういった投稿が他のユーザーの参考材料となっています。

自社アカウントからの情報発信

自社アカウントからの情報発信
小紅書(RED)に公式アカウントを開設している日本企業の例

中国人観光客に人気な店舗の多くが小紅書に企業公式アカウントを開設して、情報発信を行っています。どのようなサービスや商品があるのか、他のお店との違いはどういうところか、など親しみやすいコンテンツとともに発信すると良いでしょう。

検索キーワード対策

小紅書では、キーワード検索をして情報を探しているユーザーも多くいるので、探していそうなキーワードを想定して、記事やタイトルを意識することも重要です。

「日本」と入れた場合のキーワード候補
「日本」と入れた場合のキーワード候補

上記の画像は、小紅書の検索画面です。日本と入れると候補があがり、日本旅行攻略や、日本で買うべき商品など、旅行に関連するキーワードが多く表示されます。

こういったキーワードでユーザーが検索しているので、公式アカウントや、インフルエンサーを起用する際に、人気キーワードを意識して発信をすると良いでしょう。

インフルエンサー(KOL・KOC)の活用

インフルエンサーの活用も効果的です。KOLと呼ばれるフォロワーの多い方や、KOCと呼ばれる一般人に近い方などをバランス良く起用しましょう。

日本在住のKOLやKOCもとても多くの方がいますので、中国から招聘せずとも、すぐに紹介してもらうことが可能です。

小紅書(RED)を活用したい企業様へ

当社では、小紅書を活用した中国向けプロモーションを得意としており、アカウント開設から運用、小紅書内広告、KOL、KOCの起用などを行っております。

YouTube動画でも解説!

今回のコラムは、YouTubeでアニメーション動画でもご覧頂けます。5分程度ですので、通勤の行きかえりなどでもお楽しみ頂けます。併せてぜひご確認ください!


この記事を書いた人

瀧澤 慧(Takizawa-Satoshi)

瀧澤 慧(Takizawa Satoshi)

一貫して営業畑を歩み、前職の広告代理店でインバウンド事業部を立ち上げ目標売上300%を達成し、その実績を買われ2016年にENJOY JAPANに参画。クライアントはドラッグストアとメーカーが多く、徹底してクライアントの売上向上に尽力してきた結果、一度担当したクライアントは必ずと言っていいほどリピートしていく。

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