中国のライブコマースは、日本でも多くのメディアが取り上げるようになっており、その盛り上がりなどはご存知の方も多いと思います。ここ最近では、中国のEC祭り「W11」のセールがスタートしたことで、特に「淘宝直播(タオバオライブ)」が大きく盛り上がっております。

すでにタオバオライブを実施している企業もいれば、これからタオバオライブをやってみたいという企業もいると思いますので、ここでタオバオライブを実施する上で、把握しておくべきいくつかの規定をご紹介致します。規定を違反した場合は、トラフィックを制限されたり、LIVEを中止にされてしまうこともあります。

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(一) 服装及びライブ室の背景について

(1) ライブに出演者は、露出が多い服装(女性:下着、セクシーランジェリー、胸元が見える、丈が短い洋服など。男性:上半身裸など)が禁止されています。
(2) 軍隊及び警察の服装またはそれを連想させるような服装。
(3) 体の一部に、下品な絵が描かれていること、性的文字が書かれていること、刺青などが禁止されています。
(4) 浴室、バスタブ、クラブなど性的暗示がある場所でのライブ配信は禁止されています。
(5) ライブ中に、成人用品などの性的暗示がある物を置いてはいけません。

(二) ライブコマースの宣伝画像について

(1) モデルの胸をピンポイントで映してはいけません。
(2) モデルの表情は正常であること。舌を出す、ウインクをするなど、性的暗示がある行為は禁止されています。
(3) モデルの姿勢、ポーズが正常であること。指を舐める、服を脱ぐ、バナナを食べるシーンは禁止されています。
(4) ポール、椅子など性的暗示がある道具を使った表紙撮影は禁止されています。
(5) モデルに半透明のランジェリーを着させてはいけません。
(6) ストッキングの試着写真の場合、モデルは下品なポーズしてはいけません。(足を開くなど)
(7) セール情報(無料で一枚プレゼントなど)の文字が入っている表紙の使用は禁止されています。
(8) 表紙に宣伝写真の代わりに、絵文字などを使ってはいけません。
(9) 明らかなコラージュ写真を使ってはいけません。
(10) 動画再生マークがついている写真の使用は禁止されています。
(11) 芸能人の写真を使用する場合は、肖像権などの規定証明書類の提出が必要となります。
(12) 極端に修正した写真の使用は禁止されています。

(三) ライブタイトルについて

(1) 下品なタイトルは禁止されています。(豊胸、整形してお金持ちと結婚するなど)
(2) 度が過ぎた宣伝は禁止されています。(3日間で10キロダイエット、30日間でFカップ、媚薬など)

(四) ライブ中について

(1) ライブの出演者がライブ中に席を外し、音楽や画像を代わりに流すことは禁止されています。
(2) ライブ中に、タオバオ以外のリンクを露出させてはいけません。(例:wechat公式アカウントなど)。また、チャットグループへの誘導は禁止されています。
(3) ライブ放送時間を極端に短くしてはいけません。(30分もしくは一時間だけ)
(4) ライブ中に、携帯をいじる、話さない、席を外すなどの行為は禁止されています。
(5) ライブ中に自社商品の販売ページへ誘導することは可能ですが、「秒杀(タイムセール)」などのセール専用商品販売ページへの誘導は禁止されています。

(五) ライブ中の宣伝用語について

(1) 衝動買いを防ぐために、「今日だけ」、「本日特価」、「明日値上げ」、「最後のセール」等の誘導用語を禁止されています。
(2) 「国家級」、「ナンバーワン」、「トップ」、「万能」、「完璧」、「絶品」、「唯一」、などの用語は使用してはいけません。
(3) 価格詐欺は禁止されています。
(4) 抽選を行う場合は、最高抽選額が50,000元以内であること。
(5) 競合他社を貶し、価格比較してはいけません。
(6) 健康サプリメントの効能を宣伝してはいけません。(免疫力の強化、抗酸化剤、記憶力の向上、睡眠の改善など)「国健字号」を取得されている場合は、承認文書に記載されている効果の範囲内で厳密に宣伝する必要があります。
(7) 特殊化粧品の功能を宣伝してはいけません。(美白、育毛、美乳、脱毛、)「特妆准字」を取得した場合は、承認文書に記載されている効果の範囲内で厳密に宣伝する必要があります。
(8) 「越境」という用語を使う場合は、全ての商品が海外直送や保税回収などの正式なクロスボーダーモードで販売されるようにする必要があり、「すでに国内にある商品」の状況は許可されません。
(9) 「免税」という用語は使用してはいけません。店舗側が消費者の代わり支払った税金は、免税額が税務方針に従って計算された50元未満であるという意味で実際の免税ではありません。

(六)ライブ映像の保存について

こちらに関しては配信者側ではなく、プラットフォーム側の義務となりますが、市場監督管理総局により、配信プラットフォーム側はLIVEの映像を3年間以上保存をするように定められております。
ライブコマースで購入した消費者側と販売者でトラブルが増えているため、配信時にライブだからといって嘘をついても証拠が残るようにするためです。
企業側は、様々なKOLを起用してライブを配信していると思いますが、万が一嘘や誇張を行うようなKOLを起用してしまった場合、あとで問題になるので十分に注意をしましょう。

以上です。その他ライブについてのご質問や、運営に関するご相談がありましたらお気軽にご相談下さい。


この記事を書いた人

ENJOY JAPAN 編集部

変化の早い中国のマーケティング情報を、「早く」「わかりやすく」をモットーに弊社メンバーや専門家などのチームで記事を執筆しています。

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