
中国マーケティング
中国動画アプリ「快手(kuaishou)」とは?概要や活用方法を解説
2021年のモバイルアプリ総合ランキングで世界No.1アプリとなったTikTok。日本でも「TikTok売れ」という言葉も生まれ、使われた楽曲がヒットしたり、30年前の小説が突然売れだすなど、マーケティング業界で今最も注目されているSNSのプラットフォームとなりました。
本家である中国でも月間利用者数が6億人を超えるほどの巨大なプラットフォームとなり、中国でのマーケティング活動を行う企業、特にBtoC関連企業にとっては今や避けては通れない存在となっています。
今回は、中国版TikTok「抖音(Douyin/ドウイン)」について概要と視聴方法、企業向けにビジネス活用事例をご紹介します。
目次

抖音(Douyin/ドウイン)は、2013年に張一鳴と梁汝波によって設立された「バイトダンス(字节跳动有限公司)」により2016年9月にリリースをされたショート動画アプリです。日本では2017年10月にリリースされました。
※字节跳动有限公司(バイトダンス)は、2022年5月に「抖音」に社名変更
抖音の主な特徴は基本15〜30秒というショート動画を投稿・視聴できるアプリです。(ブラウザ版も存在)
AIレコメンドシステムという技術によって、ユーザーの興味がありそうな動画が次々と配信されます。
ショート動画という特性から、ユーザーは気軽にたくさんの動画を視聴することができ、興味がない動画は簡単にスキップできるので、興味のある動画を探しているうちに長時間利用してしまう中毒性のあるアプリです。
また、投稿においては撮影から編集、投稿まで誰でも簡単に出来る設計になっています。顔や体型を変えたり、効果音や字幕を付けたり、バラエティーに富んだ豊富な編集機能があり、ユーザーは気軽に楽しく投稿をしています。
AIによる最新のレコメンド機能により、ユーザーの閲覧履歴などから表示される動画は最適化され、実際に視聴中に表示される動画はユーザーごとに異なります。
そのため、フォロワーが全くいないユーザーでも、たまたま投稿した動画が100万人に再生されるようなことが日常的に発生します。
抖音は芸能人やインフルエンサーでもない一般人の投稿でも大きな影響を与えることがあり、今までの”フォロワーありき”であった「SNSマーケティング手法」の常識を大きく変えました。

QuestMobileによると、2021年上半期の広告収入シェアランキングで抖音はNo.1となっています。
2位は同じくバイトダンスのニュースアプリ「今日头条(今日頭条)」で、なんとバイトダンス社だけで中国の広告シェア45.7%を獲得していることになります。
3位はWechat(微信)で4位が抖音の競合である「快手」となっています。
中国で使われるネット広告の約3割が抖音に集まっており、いかに抖音が中国で利用されていて、マーケティングやプロモーションに重要なプラットフォームなのかが良く分かります。
抖音の競合アプリとして「快手(kuaishou)」があります。
快手も中国マーケティングを行う上で重要なSNSプラットフォームであり、下記記事で詳しく紹介していますのでぜひそちらもご覧ください。
他にも、「小紅書(RED)」が競合として挙げられます。小紅書に存在する静止画を投稿できる機能もリリースしています。
※参考:TikTok中国版「抖音」、EC強化へ「RED」に寄せる?
TiKTokは日本では10代の若者が使っているSNSというイメージが強いですが、中国ではどのようユーザに利用されているのでしょうか?利用者データをまとめます。

Quest Mobileによれば、2021年9月の時点で、ユーザーの流入数値は以下のようになっています。
既に国民の半数近くが利用するアプリとなっています。

上記のグラフは2020年12月時点のデータとなります。
男女比はほぼ半々で、35歳以下のユーザーが多く、居住エリアは1線都市から5線都市以下まで広く使われています。
35歳以下で特に19-24歳の女性で新1線都市と3線都市に居住しているユーザーの利用傾向が高いとのデータになっています。

データから上記のように男女別で視聴ジャンルがわかります。
抖音は中国のAppleIDを持っていないとインストールすることが出来ません。基本的な機能は同じなのでまだ使ったことがない方は、一度日本向けである「TikTok」’をインストールして利用してみてください。
抖音は誰でも気軽に見れるブラウザ版も存在していて、アカウント登録せず閲覧することができます。
コメントの投稿など利用できる機能は制限されていますが、中国版TikTok「抖音」はどんなアプリなのかブラウザで確認することができます。
※参考:抖音-记录美好生活
ここからは抖音の企業によるビジネス活用事例をご紹介します。

最も多い活用方法は、他のSNSプラットフォームと同様にインフルエンサーの起用です。
ただ、上記でもお伝えしたように抖音の設計でフォロワー数に関係なく多くの人に表示をされる可能性があるので、フォロワー数の多いインフルエンサーだけでなく、いわゆる一般のユーザーにも投稿をしてもらう方が良いでしょう。
また、投稿には天猫などの商品ページへの導線を貼ることが可能です。
日本人や日本在住のインフルエンサーも増加しており、日本からの情報発信も今後のインバウンド回復を見込んで重要となりそうです。
企業やブランドとして公式に運営する企業アカウントが作成できます。一般アカウント同様にショートムービーを投稿してプロモーションを行うことができるのはもちろんのこと、他にも多くのことができるようになります。
一例を下記にあげます。
この他にも多数の機能が利用できるようになり、さらに関連する業種の人気の動画傾向を教えてもらえたり、講師によって運営のアドバイスをもらえたりもします。
自社で運用される場合には特に費用がかかるものではないので、可能であれば積極的に運用することをおすすめします。
ただ、日々投稿内容を考えるのは楽なことではないので、お困りの場合はご相談いただければと思います。
現在、抖音が最も力を入れている事業がECです。
まだ開始したばかりながら2020年にはGMV(流通取引総額)5000億元(約9兆円)を超える規模になり、2021年はさらに大きく伸びると思われます。
興味EC(インタレストコマース)という概念を提唱して運営をしており、強みであるAIでユーザーに興味がありそうな動画を表示し、ついそのまま購入してしまう、衝動買いを誘う設計になっていることが大きな特徴です。越境ECにも対応しており、日本から出店して販売をすることも可能です。
抖音のEC事業について詳しくは下記の記事で説明をしていますのでご覧ください。

抖音の持つAIレコメンドシステムの技術とライブコマースが組み合わさって強力な販売手法となっています。ライブコマースを行っていれば興味のありそうなユーザーに表示をしてくれるので、フォロワーがいなくても見てもらえる可能性が高くなります。
2022年1月現在は、ライブコマースの場合は天猫等へリンクさせることができませんが、現在アリババと協議中との報道もあり、今後変わる可能性があります。
企業アカウントを作成することによって以下のような広告が利用できます。
また、年齢や性別、居住エリア、興味関心などによってターゲットを絞って出稿することができます。
このコラムの前半でも取り上げたように抖音は中国のネット広告の約30%を獲得しています。それだけ効果があるということの表れだと思いますので、試してみる価値はあるでしょう。
広告メニューの詳しい説明や事例などはまた別のコラムでご紹介したいと思います。
以上、TikTokの本家中国版「抖音(Douyin)」の基本的な情報を紹介しました。まだ苦手意識をお持ちの方も多いとは思いますが、無視する訳にはいかないということがご理解いただけたかと思います。
ただ、とても優れたAIシステムによって思わぬところからヒットに繋がる可能性もあるので、まだ何も対策をしていない企業様は、是非少しずつでもチャレンジしてみてください。弊社でも様々なお手伝いをしておりますので、お気軽にご相談ください。
「何から始めるべきか分からない」「社内でどう説明すればいいか悩んでいる」
そんな段階からでも大丈夫です。
現状やご予算感を伺ったうえで、貴社にとって現実的な選択肢をご一緒に整理します。
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