中国は現在、世界最大のインターネットユーザー数を誇っています。その中で、動画コンテンツの消費は非常に活発で、多種多様な動画サイトが活況を呈しています。ショートビデオから長編映画まで、さまざまな形式の動画が人々の生活に深く根付いています。

中国のデジタルマーケティングシーンは、急速に変化しています。特に動画コンテンツの消費は、ユーザー間で大きなシェアを占めており、その影響力は急速に拡大しています。この記事では、中国の主要な動画サイトを紹介し、その特性とマーケティングのポイントを解説します。

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中国の主要動画サイトとその特性

(1) Douyin(抖音)

Douyinは、中国最大のショートビデオプラットフォームで、その月間アクティブユーザー数は約8億に上ります。※2022年8月時点

主にユーザー生成型のコンテンツが中心で、音楽やダンス、ユーモラスなスケッチなどが豊富に提供されています。また、多くのインフルエンサーやブランドが自身のプロモーションにDouyinを活用しています。

(2) Kuaishou(快手)

Kuaishouは、Douyinと並ぶショートビデオプラットフォームで、月間アクティブユーザー数は約4 億 780 万に達しています。※2020年9月時点

Douyinと比べてユーザー層がより広範で、都市部だけでなく地方部のユーザーも多い特徴があります。ライブストリーミング機能も充実しており、商品販売などのeコマースにも強く、特にリアルタイムでのインタラクティブなコンテンツが人気です。

(3) iQIYI(爱奇艺)

iQIYIは長編映画やドラマを中心に扱う動画プラットフォームで、月間アクティブユーザー数は約5憶2700万です。※2018年6月時点

中国のNetflixとも称されるサイトで、自社制作のオリジナルコンテンツが豊富で知られています。

(4) Youku(优酷)

Youkuはテレビ番組や映画を提供するプラットフォームで、月間アクティブユーザー数は約5億人以上といわれている動画プラットフォームです。※2016年時点

iQIYIと同様にオリジナルのドラマや映画が豊富で、一部は海外にも配信されています。

(5) Bilibili(哔哩哔哩)

Bilibiliは、月間アクティブユーザー数が約3億3300万人を誇るアニメやゲーム中心のコンテンツが人気のプラットフォームです。※2022年時点

若者を中心に広く支持されており、日本のアニメやゲームも人気です。ユーザー間のインタラクションが活発で、強力なコミュニティ機能も特徴としています。

中国動画サイトのマーケティング活用法

中国の動画サイトはマーケティングのフィールドとして非常に有効です。KOL(インフルエンサー)との協業、ショートビデオによるプロモーション、ライブコマースなど、さまざまな手法が取られています。ブランドの目的やターゲットに合わせて、適切なプラットフォームと手法を選ぶことが重要です。

(1) KOL(インフルエンサー)との協業

中国の動画サイトには多くのインフルエンサーが存在します。彼らとの協業により、広範なユーザーに向けて自社商品を訴求することができます。特にDouyinやKuaishou、ビリビリ動画では特にこの手法が有効で、人気インフルエンサーとの協業はブランド認知度向上や商品販売に寄与します。

(2) ショートビデオによるプロモーション

DouyinやKuaishouでは、ショートビデオを用いたプロモーションが広く行われています。ユーモラスなスケッチやブランドの世界観を表現するようなコンテンツを通じて、商品やサービスを訴求するとともに、ユーザーとの相互交流を促進します。

(3) ライブコマース

中国のEC市場ではライブストリーミング機能を活用した販売、いわゆるライブコマースが人気で、売上全体のライブコマースの占める割合が非常に大きくなっています。リアルタイムでの商品説明やデモンストレーション、またライブ中の大幅な割引はユーザーの購買意欲を喚起します。

プラットフォームによっては、24時間ライブを行うことを推奨するほどで、コンビニのようにいつでも空いていて、いつでも商品についての質問ができる状況が理想的ということだそうです。

以上が中国の動画サイトとそのマーケティング活用法についての概要です。ブランドにとって中国市場は無視できない存在です。中国の動画サイトがどのような特性を持ち、それぞれどのようにマーケティングに活用できるのかを理解することで、より効果的な戦略を立てることができます。

中国訪日インバウンド向けの動画マーケティング事例

訪日インバウンドプロモーションでも動画を活用したマーケティングは非常に重要です。

当社が行ったアンケート調査によると旅行先の調査で利用しているアプリは1位が抖音(Douyin)で2位が小紅書(RED)という結果で、どちらも動画が重要なプラットフォームです。

中国人観光客アンケート調査(2023年3月ENJOYJAPAN調べ)

自社のアカウントを開設して発信をしたり、在日中国人KOL(インフルエンサー)もたくさんいるので、依頼して発信してもらうと良いでしょう。

中国訪日インバウンド向けの動画広告の始め方

中国向けの動画広告をスタートさせる場合、基本的には各動画プラットフォームへ直接問い合わせるか、専門の中国広告代理店に依頼するのが良策です。

中国のメディアプラットフォームは、Google広告やFacebook広告とは異なり、自分自身で直接広告アカウントを開設して広告を運用するタイプが主流ではありません。さらに、中国の市場特性を理解し、中国語でのコミュニケーションが必要となるため、中国のマーケティングに詳しくない場合は成功への道筋を描くのが難しいと言えます。

まとめ

中国の動画市場は多様性と活発な消費行動を特徴とし、高い影響力を持っています。今回ご紹介した主要なプラットフォームはもちろんそれ以外のプラットフォームを含めて、それぞれ異なる特性とターゲットユーザーを持っています。これらのプラットフォームを効果的に活用するには、各サイトの特性を理解し、適切なマーケティング戦略を立てることが必要です。

さらに、中国向けの動画広告をスタートさせる場合は、直接各動画プラットフォームへ問い合わせるか、専門の中国広告代理店に依頼することが推奨されます。中国市場の特性を理解し、中国語でのコミュニケーションが必要となるため、中国のマーケティングに詳しい専門家の支援を得ることが成功への道を開くための重要なステップとなります。

本記事を通じて、中国の動画市場とそのマーケティング戦略についての基本的な理解を深め、成功への一歩を踏み出す参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

ENJOY JAPAN 編集部

変化の早い中国のマーケティング情報を、「早く」「わかりやすく」をモットーに弊社メンバーや専門家などのチームで記事を執筆しています。

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