様々なSNS(ソーシャルメディア)の発展に伴い、SNS上で影響力の高いインフルエンサー(KOL、KOC)を活用したマーケティング方法は、コンバージョン率やブランド認知を効率的に高めることが出来るとして、一般的なプロモーション方法となりました。今回は、KOL、KOCと呼ばれているインフルエンサーについて違いやそれぞれのマーケティング活用方法をご紹介します。

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特徴の大きな違いはファンの数

KOLやKOCは中国で「網紅(ワンホン)」と呼ばれています。両者の共通点はインターネットを通じて情報拡散することであり、異なる点としては両者の立ち位置が違うところです。

KOCのファンの数はKOLより少なく、起用する際に発生する費用もKOLより安いKOCのファンの数はKOLより少なく、起用する際に発生する費用もKOLより安い

のが特徴です。

拡散と認知を担うプロフェッショナル「KOL」

KOLは、Key Opinion Leaderの略で、リーダーのような存在であり、より正確な製品情報を持ち、ファンに受け入れられ、信頼され、ファンの購買行動に大きな影響を与える人々のことを指します。

KOLを起用する最大のメリットは、その圧倒的な拡散力とブランドの信頼性向上です。

数十万から数百万人という膨大なフォロワーを抱えているため、新商品の発売や新店舗のオープンに合わせて起用することで、短期間で一気に認知度を高めることができます。

「あの有名なプロが勧めているなら安心だ」という、いわば「お墨付き」を与える役割を担います。

ただし、KOLへの依頼には多額の費用がかかることが多く、また「広告らしさ」が強く出すぎてしまうと、ユーザーに警戒されるという側面もあります。

そのため、大規模なプロモーションや、ブランドイメージを確立したい初期段階で活用するのが一般的です。

信頼と共感で最後の一押しを作る「KOC」

KOCは、Key Opinion Consumerの略で、フォロワー数はKOLのように多くはないものの、一般的に周囲の友達やファンに影響を与え、消費者行動を生み出すことができる人々のことで、私たちと同じ一般ユーザーに近い立場で、リアルな口コミを発信する人たちのことを指します。

KOCのフォロワー数はKOLほど多くありませんが(数千〜数万人程度)、その分フォロワーとの距離が非常に近く、友人や家族のような信頼関係を築いています。

彼らの投稿は、洗練された広告写真ではなく、日常の風景に溶け込んだ「本音のレビュー」です。

中国の消費者は、企業の発信する情報よりも、自分と同じ目線のユーザーが投稿した「失敗談」や「正直な感想」を強く信頼します。

KOCを起用するメリットは、高いコンバージョン(購買や来店)率と、コストパフォーマンスの良さです。

小紅書(RED)などで多くのKOCが「ここに行ってみたけど本当に良かった!」と投稿することで、ユーザーは「みんなが行っているなら自分も行こう」という安心感を持ち、実際の行動に移ります。

KOLが作ったブームを、地面に定着させて実売に繋げるのがKOCの役割です。

KOLとKOCのSNS別活用方法

インフルエンサーマーケティングは一般的にSNSプラットフォームで行うのがベストです。
SNSの特徴によって、KOLとKOCの使い分けも必要になってきます。

小紅書(RED)の場合

小紅書は消費者体験を重視するSNSプラットフォームであり、一般消費者との距離が近いKOCの起用は重要です。

また、購入前の検索エンジンとしての側面が非常に強く、ユーザーは「失敗したくない」という心理でリアルな口コミを徹底的に比較します。
こういった口コミは、「種草」と呼ばれており、いわゆる購入につなげるための種まきといった意味で小紅書が定義をしています。

小紅書でのフォロワー数のレベル分けは下記と言われています。

  • トップKOL:フォロワー数が50万人以上
  • 中間KOL:フォロワー数が5~50万人
  • 一般KOL:フォロワー数が1~5万人
  • KOC:フォロワー数1万人以下

また、インフルエンサーのフォロワー数とエンゲージメント数の比率も重視されるポイントで、「いいね数」と「お気に入り数」も小紅書のインフルエンサーの品質を測定するための重要な尺度になっています。
フォロワー数が1万人以下のKOCと、フォロワー数が5万人のKOLの投稿を比較する調査を行った際に、KOLのフォロワー数がKOCの5倍以上にも関わらず、PV数がKOCの2倍しかないという結果になりました。

起用する費用に関しては、KOCの価格はKOLの4分の1です。

従って現時点では、

小紅書でインフルエンサーマーケティングを実施する場合は、フォロワー数が1万人以下の「優良KOC」を多数起用しつつ、トップKOLを数名起用できると高い効果が見込める。

と言えるでしょう。

抖音(Douyin)の場合

TikTokの本家中国版の抖音(Douyin)は小紅書と違い、話題の動画や各ユーザーにリコメンドされた動画が、アルゴリズムによって自動的に表示されるシステムになっています。
この場合、KOLとKOCの併用が一番有力な手法になってきます。

まずKOLを使って話題を喚起させ、その後KOCを使って「真似」させることでブランド認知度が一気に広がります。

どのSNSプラットフォームにも言えることですが、KOLとKOCの併用は中国で主流なやり方になっています。
KOLは膨大なフォロワー数があり、多くの人にリーチすることが出来ますが、ただ単にKOLだけを使うと費用がかかりすぎる点がある上、必ず購買行動に繋がる保証もありません。

しかし、KOCを併用することで、ブランドに関する記事や動画が履歴としてプラットフォームに残り、消費者に「流行」と感じさせることが出来ます。憧れの人(KOL)が使っている物が周囲の一般人(KOC)も使っている、かつ効果良さそうと思わせることが出来たら購買行動に繋がる可能性も大きくなります。

抖音(Douyin)において、フォロワー数による定義は下記と言われています。

  • トップKOL:フォロワー数が500万人以上
  • 中間KOL:フォロワー数が100~500万人
  • 一般KOL:フォロワー数が10~100万人
  • KOC:10万以下

このようにプラットフォームによりKOLとKOCを上手く分けて使うことが重要です。

KOLとKOCを使い分ける「ハイブリッド戦略」

中国でのインバウンド集客を成功させるためには、KOLかKOCのどちらかを選ぶのではなく、両者を組み合わせて活用する「ハイブリッド戦略」が最も効果的です。

なぜなら、情報の「広がり」と「深さ」を同時に担保する必要があるからです。

典型的な成功パターンは、まずKOLを起用して「話題性」を作り、その後に多数のKOCを導入して「口コミの厚み」を持たせる流れです。

KOLの投稿を見て興味を持ったユーザーが検索した際、そこに多くのKOCによるリアルなレビューが存在していることで、初めて「これは本物だ」と確信に変わります。

特に予算が限られている場合は、ターゲットを絞った中規模なKOL数名と、複数のKOCを組み合わせることで、効率的に来店を促すことが可能です。

こうした複雑なキャスティングを自社で行うのは大変ですが、最近ではマッチングプラットフォームを活用して、直接インフルエンサーと繋がる方法も普及しています。


この記事を書いた人

ENJOY JAPAN 編集部

変化の早い中国のマーケティング情報を、「早く」「わかりやすく」をモットーに弊社メンバーや専門家などのチームで記事を執筆しています。

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