コロナ禍で制限されていた外国人観光客の受け入れが再開してから目覚ましいスピードで回復している訪日インバウンド市場。すでに2019年よりも上回る国も出てきています。

中国は、2023年8月について団体旅行が解禁されたものの、まだ2019年には遠い回復状況ですが、個人旅行客(FIT)は富裕層を中心に回復してきており、
2024年にはそれなりに回復してくると見込まれております。

これからの本格回復を見据え、対策をお考えの方に向けて、今回は中国最大の旅行会社「携程(Ctrip/シートリップ)」をご紹介します。

携程(Ctrip/シートリップ)は、訪日中国人観光客をターゲットとしたマーケティングに非常に効果的な媒体です。携程を活用することで、訪日中国人観光客の集客や売上アップを図ることができます。

この記事では、シートリップの紹介や、下記の活用法の紹介します。

  • 携程の広告掲載
  • 携程のクーポン発行
  • 携程のSNSアカウント運用
  • 携程の口コミマーケティング
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携程(Ctrip/シートリップ)とは?

1999年中国・上海市で設立されたOTA(オンライン旅行会社)です。

個人旅行客から団体旅行客までの国内外旅行に関するすべてといえる幅広いサービス提供を行っています。
会員数は3億人以上を誇り、訪日中国人の50%以上が携程(Ctrip/シートリップ)の何らかのサービスを使っていると言われています。
PCとアプリの両方で利用できるサービスで、情報量がとにかく多く、覗いているだけでも楽しいサービスです。
2014年に日本法人が設立され、同時に日本でのビジネスを展開しています。世界的にはTrip.comとして運営しており、中国人向けだけでなく、世界様々な国のユーザー向けにサービスを提供しています。

メインユーザー世代

携程(Ctrip/シートリップ)のメインユーザーは1980年代生まれ~1990年代生まれのミレニアル世代です。
ある程度お金にも余裕のある人が多く、国内外の旅行に積極的な年代です。
特にこの世代は日本製品好きも多いので、訪日中国人向けの対策をするのに重要なプラットフォームです。
もちろん次に来るZ世代向けにも利用が拡大するよう、様々な取り組みも行われており、今後に注目です。

携程(Ctrip/シートリップ)にはどんな機能がある?

シートリップトップページ
シートリップトップページ(アプリ・PC版)

携程(Ctrip/シートリップ)では、ホテルの予約をはじめ、旅行に関連するたくさんの機能を備えています。ここでは12の便利な機能をご紹介します。

航空券・ホテルの予約

通常のオンライン旅サイトと同じく、航空券・ホテルの予約ができます。

クルーズ船の予約

目的地ごとにカレンダーが表示され、いつどこで出発か、何日のプランかがわかりやすく記載されています。

列車、フェリー、レンタカー予約

飛行機を降りた後の列車、離島などへ行くフェリー、自由に行動ができるレンタカー予約も可能です。

ツアーの予約

団体ツアーはもちろんのこと個人旅行も立てやすいようなプランが豊富に展開されています。

交通カード、Wifiレンタル

日本でも電車移動に便利なICカード、外国人旅行客にとっては必需品のWifiレンタル手配もできます。

VISAの取得

中国人観光客にとっては、日本のみならず海外に出る際は基本VISAが必要なため、オンラインでVISAの手配ができます。VISA申請にどのような書類が必要なのかが記載されているため、初めてVISAの手配をする方も安心のシステム。手続きに要する大体の日数も記載されており、予定が立てやすいのが魅力。

保険

旅行保険、荷物等の紛失保険、医療保障、個人責任保険といった旅行にかかわる保険の取り扱いがあり、各種保険会社と提携をしています。

両替、ポイント、融資

決済に関する機能も充実しており、両替ができるのはもちろんのこと、たまったポイントで買い物ができるのは日本の旅行サイトも同様ですが、なんと最大20万元(約360万円)までの範囲でお金を借りることまでできます。

現地施設の入場券購入

中国人の約9割が使用していると言われるWechatのスキャン機能ですぐにチケットを買うことができます。言葉がわからなくてもチケットを取りやすく、海外旅行がより楽に。
また、お土産を事前購入し現地で受け取るサービスもあります。
→特にこの機能は訪日インバウンド対策として、限定販売をウリに参入余地がある分野。

ショッピングにお得な「割引チケット」

百貨店などのページには割引チケットが記載されており、アプリを立ち上げればすぐに使用することができるので使い勝手はバツグン。

観光地情報が豊富

観光地周辺のショッピング、ホテル等の情報が同ページ内に出てくるため
行きたい場所を見つける→周辺の買い物スポットを調べる→周辺のホテルを予約するといった流れができ、個人での旅行プランも立てやすい。

口コミの投稿や取得

シートリップ口コミ
ユーザーが観光地の写真や動画をアップ

通常のSNSと同じく携程(Ctrip/シートリップ)内でもSNSのような使い方ができ、ユーザーが観光地の写真や動画をアップすることはもちろん、ライブ中継などもできます。ユーザーが自分の訪れたところを投稿するのでその情報をもとにほかのユーザーが行き先を決めたり、探したりすることができます。このSNS的要素で旅をさらに盛り上げてくれます。

上記のように旅行に関するすべてが完結する携程(Ctrip/シートリップ)。海外が初めての中国人にとっても使いやすく、豊富なコンテンツが多くの人を引き付けています。

訪日インバウンド対策としてどんなことができるか?

このように中国人にとっての旅行のインフラとも言えるサービスとなっているシートリップですが、我々のように日本で受け入れる側としてはどのような対策で利用することができるかをご紹介します。

広告掲載

Ctripアプリの広告掲載事例

Ctripは、旅行を具体的に検討しているユーザーがアクセスをしており、広告掲載は有効な手法です。上記のようにアプリ内にバナーを掲載することが可能ですが、データを活用して特定のユーザーにだけ広告を出すことが可能です。

例えば、日本行きのチケットや、ホテルを注文した方だけに、広告を出すことが可能です。さらにシートリップのアプリだけでなく、小紅書やWechatなどにも掲載することができます。

全球购(グローバルショッピング)

全球購ページ
全球購の東京ページ。割引クーポンやポイント還元などが設定可能

携程(Ctrip/シートリップ)内には「全球购」というページがあり、世界中の免税店や百貨店、ドラッグストアなどのクーポン券を取得して、お得に買い物をすることができます。

全てのクーポンをアプリ内に入れておき、お店でスマホをかざすだけで割引などの特典が受けられるため、多くの旅行客が事前にクーポンを取得して利用しています。
世界中のお店のクーポンが掲載されていますが、日本のお店での利用が最も多かったそうです。

売上に応じた手数料のみで、掲載費用はかかりませんので、まだ掲載していない小売店様がいらっしゃいましたら、一度当社までお問い合わせください。

お問合せ

携程(Ctrip/シートリップ)内の「全球购」に掲載をお考えの小売店様、以下から無料でご相談いただけます。お気軽にお問お合せください。

口コミ対策

機能紹介の部分でも紹介しましたが、シートリップはSNS機能があり、ユーザーは自分が行った旅先を写真と文章や、動画、ライブなどで紹介しています。
達人と呼ばれるインフルエンサーがいて、多くのユーザーが記事を参考にして行き先を決めています。
日本国内にも達人は多くいるので、記事にしてもらうと良いでしょう。

企業側からの情報発信

シートリップ企業アカウント
写真集を作成したり、文章、動画、ライブ配信などを組み合わせて、旅行客にアピール

旅行客に来てもらう側の企業がアカウントを開設して、自ら情報発信をすることも可能です。写真集を作成したり、文章、動画、ライブ配信などを組み合わせて、旅行客にアピールすることができます。
ライブ配信画面には、チケットなどの販売ページへのリンクを貼ってそのまま購入してもらう、といったことも可能です。

旅行中情報の充実を図ることが必須!

携程(Ctrip/シートリップ)アプリ内では観光地オススメのレストラン紹介や検索ができるサービスがあります。よく中国人が訪れるような観光スポットは情報が多く出てきますが、まだ知名度の低いようなところは今後情報の充実を図ることが先決です。これをご覧になっているインバウンドを狙う観光地の方、広報担当の方はぜひこちらに情報が載るように動くことをお勧めします。

まとめ

今回は中国人旅行者の約半数が利用している携程(Ctrip/シートリップ)についてご紹介してきました。旅行に関するすべてが完結するため、非常に使い勝手の良いサービスです。このアプリ内に情報を充実させることは訪日インバウンド対策として有効です。
まだ世界的には気軽に旅行ができない今だからこそ、訪日インバウンドを狙う観光地の方、ビジネスにつなげたい方は今がまさに準備のチャンス!多くの中国人が利用しているサービスを駆使し、アフターコロナ後の中国人観光客を取り込みましょう!

インバウンド施策の全体戦略については下記の記事でまとめておりますので、是非こちらも合わせてご覧ください。

YouTubeでも紹介

Ctripの簡単な概要をYouTubeでも紹介しています。 5分程度ですので、通勤の行きかえりなどでもお楽しみ頂けます。併せてぜひご確認ください!


この記事を書いた人

ENJOY JAPAN 編集部

変化の早い中国のマーケティング情報を、「早く」「わかりやすく」をモットーに弊社メンバーや専門家などのチームで記事を執筆しています。

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