中国では数年前から本格的なZ世代の調査が始まり、ダウンロードアプリやその使用時間、消費行動などあらゆる面から調査を行い、中国のZ世代が何を求めているのか、どんなことに支出を惜しまないのかという研究が多くのアナリストによって分析されています。

それもそのはず、今や中国のZ世代は約2.6億人、市場形成に重要な位置にある年代なのです。比較的裕福な時代に生まれているため、自分のためにお金を使うことを惜しまない傾向にあります。この世代が動かすマネーを攻略するか否かで中国市場での結果は大きく違ってくるはずです。

今回はその「Z世代」とはどのような世代なのか?どんな価値観を持っているのか?普段どのような行動をしているのか?を解説し、最適なアプローチ方法も併せてご紹介します。

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中国のZ世代とは?

Z世代(ジェネレーションZ)とは、1995年(Windows95が出た年)から2009年の間に生まれ、「生まれた時からデジタルが当たり前の中で育ってきた世代」のことを言います。

中国のZ世代は生まれた時から中国の高度経済成長期を目の当たりにし、割と豊かな時代を経験しています。豊かな経済はもちろん、家庭の愛情に包まれて育った人が多く、幅広い思考・趣味を持っています。自分のニッチな趣味を認めてもらいたい、理解してもらいたい思いが強く、多くのことに関心を寄せています。

一方、恐らくこの記事をご覧になられている方はミレニアル世代(1981年生まれ)以降の方がほとんどだと思います。テレビも電話もカメラも別々のモノだった時代を経て、スマホ一つでOKというドラえもんの道具が具現化されてきたのをこの目で見てきた世代、つまり、デジタルとともに成長してきた世代です。

中国のZ世代の特徴や価値観は?

中国のZ世代の特徴は主に自分の「好き」に興味が反映されています。価値が高く、楽しい、面白い、個性的、独創的と思ったモノへの消費を惜しみません。個性に合わせてカスタマイズされたモノに価値を見出しています。

2次元・ゲームへの興味、関心が高い

これは日本でもZ世代に限ったことではありませんが、アニメやゲームへの関心が高い傾向にあります。
一昔前までは日本のアニメが有名でしたが、中国のデジタル変革が進む中、中国国産アニメやゲームも進化を遂げ、中国のアニメ・ゲームに没頭する人も増えました。
Huya(大手ゲーム中継配信サイト)の成長からもわかるように、大好きなゲームを配信して、稼ぐという人も増加しています。

ペットにお金をかける

豊かな時代を生きてきたZ世代にとって、自分を高めてくれるものの一つとして犬や猫などのペットを飼う人が増えています。
経済的にも余裕があるため、ペット用品などへも惜しみない投資をします。SNSをちょっと覗けば、日本よりもきれいに着飾られたペットたちをすぐに見つけることができます。
タオバオやアリババのショッピングサイトでは日本よりもはるかに多くのペットグッズが売られています。
ゲームやペットに限らず、自分の「好き」を発信したり、SNSで情報共有したり、「好き」を広げていくことに価値観を見出しています。

日本製ではもう売れない?Z世代が好む「国潮」とは?

「国潮」とは、中国の伝統的文化要素+現在のトレンドを組み合わせた国産ブランドのことを指します。ここ数年でZ世代を中心に注目を集めています。
かつては外国製品こそが高品質で良いものだ。といった中国で根強くあったイメージがこのZ世代においてはなくなりつつあるのです。今の中国の若者は中国の歴史や文化の魅力に気づき、再認識しています。
また、中国の良いところと今のトレンドを組み合わせたものこそが「かっこいい!」となっているのです。
中国でもいいものが手に入る時代となり、外国製が欲しい、日本製だから「欲しい!」という人々は、このZ世代には残念ながら多くないのが現状です。
ここ数年で中国のコスメブランドが日本に進出している点も踏まえると、日本製の良さを前面に出すだけでは勝てない市場となってきています。

国潮は中国マーケティングを行っていく上で今後重要なキーワードになるので、別の記事で詳しく解説しています。
参考記事:中国の急上昇トレンド「国潮」とは?概要と人気商品を解説!

Z世代が重要視する「顔値」とは?

きれいなものに囲まれてきたZ世代にとって、見た目の「美しさ」は重要ポイントです。「顔値」(顔面偏差値・見た目偏差値)という言葉が数年前よりはやっています。
驚くべきことに、今や大学卒業後は「見た目」を気にして整形をしてから就職活動をする人も多いのです。彼らには「美しいもの=良いもの」という概念があります。もちろん人は中身を見て欲しいところですが、中身よりも前に「見た目」にかなり重点を置いている世代です。

モノにとっても同じことが言えます。中身はどうであれ、パッケージなどの見た目が「きれい」「かわいい」で売れ行きが違うというデータも出ています。最近話題の中国コスメもまずこの見た目で注目を集めることを重視して成功しています。何しろ、彼らは自分が「好き」か否かで判断をしているので、見た目が「かっこいい」「かわいい」「きれい」で買うか買わないかを判断しています。どんなに中身の良さを主張しても、中国のZ世代が見た目で「良い」と思わなければ消費にはつながらないのです。中国に良いもの、きれいなものが増えてきたからこそ目が肥えているといえるでしょう。

中国のZ世代を攻略するには?SNSがキーポイント!

中国のZ世代の人々は、さまざまなことに興味を持つ人が多く、多角的に攻めるべきと言いたいところですが、やみくもに手を出すのは時間もお金もかかってしまいます……。
ではどうしたらいいのか?

データとSNSの攻略がカギ!

となります。

中国のZ世代については中国にすでに多くのデータが蓄積されています。デジタルな世代を生きてきた彼らにはデジタルデータを活用していく方が賢明です。
どの世代がどのアプリを使っているのか、どういったSNSの使い方をしているのかのデータを収集し、Z世代の特徴を踏まえたうえで、貴社の売り込みたいポイントに絞って露出をしていくべきです。

抖音(Douyin)についての詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:抖音(Douyin/ドウイン)とは?中国版TikTokのビジネス活用の基本を解説

中国のSNSの種類とZ世代が好むアプリは?

中国のZ世代が好むSNSアプリはWechatとQQ。どちらも基本はメッセンジャーアプリとなっています。

Wechat(微信)

月間アクティブユーザー数10億人を超える巨大SNS。

Z世代のみならず幅広い世代で使われています。「モーメンツ」機能(LINEのタイムラインのようなもの)があり、気軽に情報共有ができるのが魅力です。また、ニュースの閲覧、仕事でも使われています。

QQ

月間アクティブユーザー数約6億人。

関連するQQ音楽アプリでシェアを拡大中。特にZ世代以下の若いユーザー層が多いのが特徴です。

Z世代は気軽さを求める傾向にある

上記2つのSNSでほとんどの中国の世代をカバーできてしまいます。特にZ世代は気軽さを求める傾向にあることから、手書き入力やピンイン入力ではなく、ボイス入力が多い傾向にあります。

ちなみに、中国ではTwitterが使えないためWeibo(微博)という中国版Twitterがありますが、こちらは ユーザー数4.5億人ほどです。つぶやきはもちろんのこと、気になるドラマの話題などで盛り上がりを見せています。

中国のZ世代が好むメッセンジャー以外のアプリ

中国のZ世代が好むメッセンジャー以外のSNSアプリは以下のようなものがあります。

抖音(Douyin)

日本でもおなじみTikTokの中国本土版で、ショート動画SNS。

動画を見る、作るはもちろんのこと、ニュースや勉強に利用したり、ライブコマースも行われていたりするため、ショッピングにも利用されています。

知乎(zhihu)についての詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:中国のQ&Aサイト「知乎」の概要とマーケティング活用方法

Bilibili(B站)

2次元コンテンツから様々なジャンルをカバー。

見たい、知りたいが全てかなう。日本でいうYoutube的存在。勉強のために見たりおもしろ動画を見たりしていて、1日1時間以上利用するユーザーが多い。

ビリビリ動画についての詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:平均滞在時間87分の衝撃!今、ビリビリ動画がアツい!

小紅書(RED)

美容、育児、旅行などに特化。8割が女性ユーザー。

スマホ専用アプリで写真、動画の共有をはじめ、日本でいうインスタ的存在。Eコマース機能付。

小紅書(RED)についての詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:小紅書(RED)とは?中国のリアル美容系情報が集まるアプリ

知乎(zhihu)

もともとはQ&Aサイト。現在はさまざまなコンテンツを配信。
知識を持った人が質問に答えてくれるので専門性、信頼性が高い。

知乎(zhihu)についての詳細は以下の記事をご覧ください。
関連記事:中国のQ&Aサイト「知乎」の概要とマーケティング活用方法

まとめ

Z世代はSNSから情報を得て、Eコマース機能が付いたアプリから購入するという消費ルートができています。特にBilibili、小紅書、知乎アプリはZ世代のユーザー数が半数を超えることから中国でもその市場価値が注目されており、マーケティング活動には重要なプラットフォームとなります。
また、中国Z世代向けのマーケティングは弊社の得意とするところなので、Z世代向けマーケティングにご関心がある企業様は、是非一度お問い合わせください!


この記事を書いた人

目代 有史郎(Mokudai-Yushiro)

目代 有史郎(Mokudai Yushiro)

早稲田大学在学中に、HP制作会社や広告会社を創業。その後、ENJOYJAPANの立ち上げに参画。 「インバウンド」という言葉がまだ使われていない時期から中国人観光客向けの プロモーション事業を開始し、紙媒体からデジタル化への移行を経験。 メーカーや小売、代理店など幅広いクライアントを担当し、小売りクライアントの 月額免税売上数十億円の達成をサポートするなど、「売上に直結する提案」を得意とする。

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